買えなくて時間だけあり縫い貯めたマスクそのまま四年が過ぎぬ
22
東京は眠らない都市雨の夜本を並べる眠れない夜
16
彼岸にて超星スーパースターの輝いて此岸は歓喜の大谷グレートバレー
7
夏休み ニフラーかもと もぐらとり めっちゃ可愛い 登山大好き
4
夕闇は加速をつづけひたすらに熱を南に追いやっている
6
旨いもの 食べたい願う 父の目は 母の分まで 生きる決意か
8
「順調な人生だね」周りから なんか悔しい壊してやろうか
5
落ちてったアイスの理由わけは暑さだけ、だけじゃないよね 日は傾きつ
5
「秋かな?」と 勘違いした 栗の木は 日傘の海に 秋の実を落とす
8
教壇にどんな笑顔で立ちたるか 吾子を思ふ日の我はただ母
13
パレードの最後尾につく最果てに 辿り着けたら手紙を書くよ
6
同歳の友の訃報の新聞を 指で撫でてる母すぐ百歳
14
野生など とうに忘れた猫たちの ヘソ天 眺め人は喜ぶ
9
七百歌詠みも詠んだりこの夏に滴る汗をモニタに垂らし
16
吹く風に秋が混ざれど今はまだ 遅足の夏がそこに居座る
10
待ちかねた秋の便りは庭の隅 白の清けさ秋明菊の
11
朝一にアゲハのみどり児つげの葉にときめき見ゆる陽炎のなか \ 羽化見逃して
18
金魚等の 親友タニシ という君 その優しさに 元気百倍
6
待ちきれず半袖上着を七分袖気候はあとから付いて来るだろ
15
エアコンを止めて寝てみた翌朝にじっとり汗吸う枕カバー
9
秋の季語こんな暑さに織り込めず今だ夏詠むUtakataに居て
10
細やかにわかれた道とその外に歩んでいったともがらはいま
5
ゾーン入りボールが止まって見えたはずその域見たい大谷のよう
6
あんなにも叫んで謳歌蝉のはず路肩に落ちて唐揚げである
8
蝉すらも焼き殺されて沈黙と炎熱だけがのこされた秋
6
モフモフを なでて幸せ 何度でも なぜこんなにも 愛おしいのか
8
これほどの四面楚歌にも崩折れぬ 知事のメンタル羨ましほど
14
闇深き 心の奥は なかなかに 晴れぬけれども 光に透かす
7
喧嘩後の 君の沈黙は 反抗期 不協和音 を懐かしむ今
8
ねこはなぜ かわいいのかと きかれたら「ねこだから」としか我言えぬなり
19