初めてのレーザーディスクは音楽の授業だったわオペラのカルメン
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大洋の 諸島に生きる 人達の 幸を忘れて 争奪戦へ
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今にこそ 夏とおぼゆる有明ありあけの いつしかたかむ今朝の秋かな
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隅田川 百年前の 震災の 映像浮かぶ 歴史忘れず
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福田村 隣の善人 悪人へ 誰でも変わる 恐ろしさかな
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大震災 博士の提言 無視されて 被害広がり 歴史は語る
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不登校 四人を抱え 闘いし 母の強さよ 勝利のドラマ
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富裕層 日本訪れ 再発見 失われゆく 田園の美を
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恐怖から 両目を覆う優しい手 口付けようか 牙を立てるか
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情報に 視点を変える 試みよ 別の景色が 広がる世界
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あれをサボり これを延期し どうしても 生きることだけ サボれないから
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点々と ねこが落ちてる フローリング 踏まないように 抜き足差し足
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頼むから もういなくなって 俺を喰う 黒い俺おまえ これでいいから
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暑い中くしゃみが止まらず気がつけば処暑のさなか秋の入り口
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画面酔い ゲーム進まず 小休止 好きだけども身体追いつかず
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一期だけ見たアニメの完結みたいだ 元彼の「結婚した」は
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独りでも生きられるよう修業する花嫁修業よりも気楽に
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オンラインゲームの声がはずんでる うつ で療養中大切な息子キミ
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あたらしい道を選んで繋ぐ手でキリトリ線は見えなくなった
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あしの根の ようさりつかた 秋蟲あきむしは いづへともなくすだきけるかも
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ゆびさきを針刺すたびに握りしめ赤いビーズを生やしてしまう
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肺胞に幽かな針と分け入ってきみのことばを分かってみたい
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秒針を追い越せぬまま凡百の選手の夏がさきほど終わる
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朝涼を裂いて同志はテラスへとΩカーブを駆け抜けてゆく
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針ひとつボーダー柄のゆかに落ちその値へと近付いていく
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金剛の針を落として眼をつむり円かな声を聴く皐月闇
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草葉にはまだ置きあへぬ白露の袖に宿借る秋は来にけり
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つきまとう 見えない敵は 隣にいる 振り返らずに 空を見上げる
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夕陽から巨大な白き翼伸べ我らを知らぬままとけてゆく
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キミだけの 扉を開き 進んでく その背は強い 気持ちが滲む
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