ため息をひとつついたら進もっか頑張れなんて月は言わない
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遺書だって数をこなせば鼻歌を歌いながらでも書き上げられる
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恋愛の意訳を説けば好きでもないのと手を繋いで飯を食いに行くこと そんならあたしひとりでいいよ
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高速を 走っていたら ボンネットが 開いて視界 ゼロ 無事でした
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ましあふぐ 雨にそぼてし葭簾あしすだれ け影に見ゆ夏のはりを
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友からの 「就職決まった」 LINE見て まっことめでたやで祝い酒
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トースター鳴るの待ってるときが好き銀河を漂っちゃったりしてさ
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足元にねこがいるなり夕暮れは はやくゴハンが欲しいアピール
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「これが好き」とふと呟くきみを見て同じになりたい子どもっぽいけど
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今わたし、リモコン探しを二日間胸のもやもや脳外したい
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肌寒い 夏過ぎて秋が ひたひたと 追いかけてくる 私を朱に変えて
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誰からもわかってもらえぬ障害を誰もがわかる障害になれ
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高次脳機能障害こうじのう左つかめば右忘れ記憶乗せちゃうベルトコンベア
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ボクだけの 小さなヒミツ 隣人に 気づかれないよう 箱に詰め込んだ
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リモコンを無くし探してうなだれる私の脳はもうおしまいだ
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ぷくぷくと 湧いてる気泡 サイダーに 入道雲が 乗ればフロート
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続々と 新種の言葉 生まれてく 今日ぶつかった 「ダパサつき」だった
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箱買いのコーン茶が減り 夏がゆく 秋は日本茶 冬はしょうが茶
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エコバック巾着のよに口縛りおあつらえ向き長ネギが出る
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店内のPOP俄かに変わりおり少し先取る秋の押し売り
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味玉よ にんにくめんつゆごま油 よーく漬かっておいしくなーれ
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雨降りて ねこはふたりで身を寄せて 毛づくろいし合う たまにどつきあい
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試すなどもってのほかと人は言う一直線に地雷原を行く
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入り口を通れば次は出口だね一つのヒビからダムは壊れる
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この先は ひと雨ごとに涼なるや まずは昨日までの 熱冷ましませ
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玄関にピンクの花片舞い落ちて子どもと探す百日紅さるすべりの木
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ブドウ半分 バラして洗って冷凍庫 この頒布会も今年でラストかな>値上げしんどい
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生い立ちに酌量の余地ありやなし、現場に向ふ赤シャツ写る
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イージスの舳先の並ぶ舞鶴の軍港めぐる遊覧船ゆく
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指切りと細き小指も日に焼けて少女の夏は絵日記のなか
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