うたた寝の夢で良い歌詠んでいて書き留める前すーと消えゆく
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またね、うん またね、またまた また明日 今日もあの子は 帰るの早いな
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ほろ酔いの先輩が今耳元で 酔いが覚めたと目を閉じながら
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そういえば 二人で残った あの時間 態度に見せない 心は祭り
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道まひで 通じる母よ 若いなあ(笑) 道長さんとまひろちゃんです(光る君)
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カーテンをめくると ねこが陣取って 半日うろうろ やっと落ち着いた
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気がつけばマスク姿が激減すコロナ感染リスクは如何に?
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欲法の 耐えてしなるは なかなかに この久し方 をして代えねば
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雨宿り ファーストフードで飲む珈琲 有難きかな百二十円
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萌黄野へ蝶たちぬわづか血をふふみおとうとの吹く Gute Nacht
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木香薔薇の花言葉を純潔 死へかけがへのあるものならば
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遠くから雷鳴轟く音を聞き 草木に水撒きしばし止める
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長編の 一冊になる はずだった 栞挟まず 頁を閉じる
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ビルケナウにガザの髪触れ合ひ混じり死の後も死者なりき兄妹
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ばあちゃんはボケて 戦争で過ごせなかった青春を生きてる
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鐡網のひかる風花 ドイツ偉人の墓隣たつ無銘異人碑
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くるしくも灯屋くんへ 暮れゆく日かも待っているから utakataに 我が待ち居らむ 君がまた詠む
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火起こしをしてやりすごす。君の隣だから暑いの? これが恋なの?
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郭公ほととぎす卯月の花の雪山にいまだふるさぬ声になくなり
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よもぎ茶の苦味と甘さ飲み干して からだの毒素流す早朝
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高熱の君をいだ いてひと晩過ごすママを癒すはばあばの役目
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あなたとの日々を忘れる決心は、あなたを想うための言い訳
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人のこと とりこにするのが上手い君  運命さだめと言う名のファム・ファタル
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三温糖まぶした苺の一匙は 記憶の中の母の指から
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息以外何もしないと決めた日に 届いた葉書の片隅に紫陽花
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キズ物の梅をお安い酢に漬けて 夏本番には絶品梅酢
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青梅を洗って拭いて 手のひらに収まる丸さに思わず ふふっ と
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失恋し人に優しくなれるなら今頃私は天使になってる
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ひっそりとグノシエンヌが響く午後 二人のひみつ背徳のサティ 『サティ グノシエンヌ』
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世の憂きに入らむと思ふ深山より泣きても出づる郭公ほととぎすかな
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