いい天気だにゃーと 朝イチ 香箱で おそとながめてる ねこもかわいい
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遥か見てなお果ても見ず 先ゆくに幸あり ここはいと良きところ〈古事記 天孫降臨〉
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「この人は関東かもな」「関西だ」乗るたび思うエスカレーター
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コンビニで ホットコーヒーを 買う朝が 来たってことは 秋なんだなぁ
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半袖と短パンだけでは涼しくて秋が来たんだと手足が言ってる
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手土産を選ぶ横顔少しだけ君と夫が重なる束の間
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夏場にはもて冷やした味噌汁を けさは湯のままありがたく吸ふ
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寝たきりに再びなってしまうかと不安がよぎる曇天の朝
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強烈な倦怠感と疲労感 背骨裂くよな激痛はしる
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左手に父の使ひし杖にぎり胸張り凛と二動作歩行す
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土産ものインバウンドなら喜ばむ ステレオタイプな武士の偶像
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この世は夏だけになったかと疑わせるには充分汗をかいた
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背丈ほど 伸びた草木の 間から 黒いお耳が 映え過ぎの猫
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夏の日になれた肌には はっくしょん けっこう冷えるね摂氏二十度
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能登襲う地震豪雨も笑顔なる爺は嗚咽をぐっとこらえる
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曇天の雲の割れ目の青空よ 明日は秋日か草の穂遊ぶ
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古稀過ぎて 昔暮らした 下町の 昭和が匂う 駒込銀座
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ゆるゆると 時間ときが流れて まどろみて 夢に浮かぶは 若かりし日々
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自分より 幸せそうな 人を見て 隣の芝生 青くていいな
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ラジオから 喝采流れて 涙ぐむ ちあきの歌声 昭和の響き
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若者に 厳しく諭す わけもなく 話を聞いて 微笑むばかり
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悲しみは 感謝に代わり 寂しさは 笑いに代わる そんな人生
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人生は 親に愛され 友人や 妻や子供に 愛されるもの
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朝早く 真っ暗の中 起きだして 話をしよう 神の王国
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役立たず 他人を助ける わけもなく 神に愛され 人に愛され
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体力が 落ちてゆくよな そんな夢 一人寂しい そんな夢見た
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諫早いさはやで道を尋ねて親切に教えてくれるも言葉わからず
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外洋を揺られて着いた屋久島は上陸しても地面が揺れる
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人を刺し歴史になると言った君 スワイプされてく笑顔の君
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大好きな季節にやっと飽きが来た終わった途端夏かしくなる
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