台風の 淡路に向かう 我が娘 満面の笑み 待ち侘びる祖母
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電話魔の 妄想激し 腹を立て 思わず我は 受話器を置くか
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同期会 四年振りにて 開催の 皆んなの顔が 思い出される
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私には捨てられない物があって考える考えてまた考える
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フォルクスワーゲン車線変更占拠すにリチャードマットと書き加へつつ
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がたがたと軋みそめたる島嶼にて竹槍のごと揃ふミサイル
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星月夜やさしい歌を賜ってふたりの道はここで途切れる
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目に付いた 車のナンバー 777スリーゼブン エンジェルナンバーなら激アツ
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不思議だねキミからのほんのひと言で 見える景色が明るくなった
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言の葉は聞こえなくとも大丈夫 文字を見るだけ心伝わる
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この夏は蒟蒻こんにゃくゼリーマイブーム 欲しくなくなりこの夏終了
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浦島は 地上が恋しくなったのか 「飲み行こう」ってLINE来てたよ
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実家行き 母の意向にて延期とす 心配性の母娘なりけり
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悩みなどないと言い切るあの人の口からとめどなく夕焼けが
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改札の手前で交わすキスのこと自慢に思うおのぼりさん (だった)
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朝の9時火ともし頃の薄暗さ通知うるさい上陸の前
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夜空には 月を囲んで アルデバラン スバル 木星 ひれ伏すオリオン
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野良ニャンも秋を待ちわびているだろう 台風あらしなるべく少ないと良い
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眠るのに時間がかかるこんな日はちいさい靴の足音がする
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可愛らし 令和生まれの患者ひと増えて こうして時代は移りゆくのね
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せせらぎの音鳴りしほう きみがいて頬染める夏溢れる想い
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ある人が言った「地球は青かった。しかしそこには、神はいなかった」
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複雑に砕かれていくよりはやく!嘘をつくのは超下手でいい
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春の日に子供は地面を見つめて舌から下に水を落とした
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わりとある 「台風一過」 勘違い ファミリーじゃないよ 暴れたあとよ
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明るさに目が慣れないでいて欲しい狭い世界の中で朽ちたい
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従軍か非国民かとよも問はば殉ずるに価するやにっぽん
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夜更けには 涼風すずかぜさらと 窓に来て もう秋だよと 囁いてくる
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窓枠のあったかいとこ顔突っ込み あつくないかね チビ猫さんや
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基地据ゑていさましきかなEMP受けらば張子の虎と同じく
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