「もっと見る」押してみないと見えません 怨嗟も海に靡いた髪も
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乗り込んだ始発の客は眠りこけ終わりと始まりが交錯する
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どうですか歌はお気に召しましたか 世界と同時だと幸いだ
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届かない言葉を胸に眠るより涙の意味を探して生きる
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リモコンを取ろうと足掻いたそのあとは 旦那呼ぶでなく 短歌うたにする我
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君の着るデニムに少し憧れて手に取るスカートかわいいと言って
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まあいいか たまに明るくても寝れる リモコン、ベッドの隙間に落ちた
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ちま猫が 足にそっと乗り ねこ母も ホッとするなり ようやく眠気が
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キレのある大門未知子になれないが包丁砥げば自分の手を切る
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よるのうみに うかんでいたことなどないけど そのくらいのさびしさだ
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結局はどちらが美しかったのか 夕焼けと「夕焼け」という語の
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何人も未踏の峰のいただきに姉羽鶴アネハヅルのみ知る空の蒼
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触れ合って知る 私たち絶対に、にぶんのいちのまんまだずっと
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マニキュアが塗られていない根元だけ自分の爪と確信する夜
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髪の毛がハネてることも気にしないあなたのことを気にしすぎてる
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側溝のせせらぎ 耳に入れながら 微睡む 夏の終わりの夜に
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我が息子 欧州研修 旅立つ日 孫はホームで 泣きじゃくる顔
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失せ物を捜して三日諦めの悪しき女に夕餉迫り来
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愛煙家 ニコチンパッチで 脱タバコ 会社に言われて やめるのは1ヶ月
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アディショナルタイム五分の決勝弾 諦めなかったサポの後押し
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暑さにてやられ脱水症状に 頓服のんで寝落ちを待ちぬ
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シリコン製太陽電池は日本製こうして世界は技術を盗む
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遠い人と言いかけてはいや違う 予感は予感のままにしておく
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さようならからまたねへと変わるとき あなたは君になっていました
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永遠に溶けない飴玉みたいですごく甘いね、叶わないって
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理由わけもなく 街を彷徨い 夜迎え 立ち寄るバーで モヒートあお
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猫の手を借りてまぶたにくっつける。癒されかたは自由だ、笑え
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居酒屋でたらふく食べてほろ酔いだ 歩いて帰ろう涼し風受け
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眠剤のせいにしているたまにある 記憶にない短歌うたができてる
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真っ黒な傘を差そうよ正しさと光しかない世界の中で
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