食パンがもう無いはず と買い帰る  以心伝心 二斤のパンよ
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眠鱶ねむりぶか喜怒哀楽を忘れ去り  暗き底にて ただ時を待つ
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シャッターを 一度だけきる 一度だけ あなたを看取り あなたを見撮る
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雨露の 屈折率が ふんわりと 隠した僕の トゲトゲ言葉
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父の日の品を持ち来てすぐ帰る そうか息子も父親なのだ
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子の名前 沢山書いた 子育て期 あのバタバタが 笑い話に
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山積みの 使わなくなった玩具 捨てたいが 「弟ができたらあげる」と君は言う
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髪の毛が少ししっとりしてきたか? 無駄な抵抗?五十路いそじも後半
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ねぇ神様 他に方法あったでしょ 股から血を出し 苦しむ以外に
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このときめき 箱に閉まってとっときたい 二度目はないかもしれないから
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旅したいガタゴト列車にひとり乗り 流れる景色暮れる街並み
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夕焼けの写真が届く貴方から 落ち込む私を無言で包む
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このとしで いいなとか思う 追いライン まだ愛カルビ 食べられるかな
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うつむいて見ている孫の目の先に 蟻は上手に行列しており
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綿菓子の甘さの先の冷たさに 吾の中の童時折会いたし
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頭蓋骨が手乗りサイズの声をしてるあなたのすきなあのおんなのこ
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仕事後に 疲れを癒す あの場所へ 温泉♨️に行き 心ほどける
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夫婦とは 共同体と 言うけれど シェアしたくない 義理の付き合い
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他人には伝わらなくもアハハって笑えることを心に留める
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凡人は そう簡単に 変われない 好き嫌いだと 侮るなかれ
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ありがたい 読経法話 聴きながら 嫌いな奴ら 消したい矛盾
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雨粒が暗い眠りに入り込む 鼓動と一緒にデクレッシェンド
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嗚呼、君よ変わらないでと願ってるどこまでも長いシーソーの上で
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コトコトと手羽元煮込む夕暮れよ 暑い日の煮物 ビールがいいね
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もふもふのお尻を頬に感じつつエアコン効いた部屋でお昼寝
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なんの音?花火の音ねこれを機に今日から夏と制定をする
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買い物にロックTシャツ着てくのがそんなに悪い事なんだろうか
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エアコンを弱めにつけて寝ころんで時代小説読んでる幸せ
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晴れなのに頬が雫で濡れている天気予報は当てにならない
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梅雨入りを待てず真夏の装いを ヒトでは生きていけない温度
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