雨上がり山肌霧を吸いこめり 同窓会の朝は清けし
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背の殻に哀しみ満ちるカタツムリ庭におとなう お茶しませんか
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正論が心にあっても零れてく 身体の方が心みたいだ
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格言を 何度も脳に言ひ聞かす 前頭葉は一時いっとき優等生になる
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くすぶっていた問題が再燃しやりたいことをまさか実現
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闇のなか照らすひかりも気づかずに眼つむり探す落とした欠片
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これという理由もなくわたしを嫌う幸せそうな顔の青年
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星のかずほどまたたいて まどの外 ほかの星座を見上げてごらん
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限られた人だけにしか叶わない恋と呼ばれる不変の悪魔
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くらべても まともな人がいないから ひとりを選ぶことができたの
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苦しみのパターンが決まっていることの煩わしいやら安心するやら
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部屋の中 まだ寝るなよと 囁く蚊 叩けど叩けど ゾンビのように
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せつなさの中にもツナが入ってる底でつぶれたお前のように
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ミシミシと痛む腰骨さすりつつなぁんもできん休みを過ごす
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こころなしか 「さよなら」の増える夜が好き 今をいつかにパージして朝
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連勝のカープ朝からビール飲む今夜も勝つぞ楽しみだから
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イチオシの洋菓子店に糖尿が行けるのは妻女子でまた留守
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五本指広げ続けた貴方の手 五ではなかった今日を忘れぬ
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別れ話の前に宇宙のはじまりから全部説明して
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雨に濡れ交わす吐息と体温と胸の高鳴りまで混ぜあって
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おやすみと 言えないことの 寂しさを 瞼の裏の 君には言えず
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光る窓ガタンゴトンと橋の上暗闇の中音も消えてく
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献血の葉書届いた水無月や いざゆけ涙になるその前に
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またねって 君が言うから 生きられる 明けないかもと 思う夜でも
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夢に行く前に言いたいことがある 今日のお昼はカレーだったよ
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「灯屋くん」と呼んでた人も いましたね…戻って来てね#俺たちの灯屋
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灯屋さんいつでも戻って来て下さい 見習いたいです向上心を
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目を閉じて まぶたの裏の 模様見る やるべきことは 他にあるのに
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変わりえぬ自らという器へとせめて色とりどりのドリンクを
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「頑張る」と壊れた膝に声かける 「頑張れ」よりも力が入る
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