紫田ねるを💐(しだ ねるを)
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右も左もわからないまま勢いではじめてしまいました。

記憶とは遠ざかる海 離れてゆくのはわたしなのかも
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あまりにも煤けた愛だった 初めから全てを盗った薄い唇
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掻き抱くそびらにまわる手の爪は粘土が詰まる Camille Claudelカミーユ・クローデル
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この愛は匣の中だけ不滅なの ドールハウスであなたと眠る
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人の種の絶滅危惧は見えないとふ浅ましさ 絶へてはならぬ
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冬薔薇ふゆさうび雨滴の重さ一身にそのかんばせは悲しき女王
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閉じてゆく世界の果ては何処かな 水槽に遊ぶ稚魚か我らは
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霜の冷笑浴びつつも立ち昇る篝火花の真白きほむら
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干したシャツ、仏壇、おりん、壁のシミ 亡き人の猫つひに戻らず
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透き通る波打ち際の結晶はいつかこぼしたガラスの記憶
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ぬばたまの立ち枯れ紫陽花暗がりに佇む姿は廃墟のごとく
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澱む部屋そば茶のさみどりいやに光る花くたす雨 ふるわたしに
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春キャベツ やわらかくって千切れやすくて もみくちゃの私の芯
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五月雨の戦場ヶ原炎燃え影なき媼のせなは悲しき
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キャンディーボール 子が持てば古の竜の護りし珠となりにき
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翠玉の光閉じ込む水風船幼子の掌中に在れ
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血の滲む憎悪でさへも風葬でいずれ綺麗な骨になるから
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待っててねいつか行くからその時はチュール持ってく猫じゃらしもね
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色褪せて像も薄れていたとしてきみの影まで消えたりしない
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記憶とは遠ざかるほど断片だ褪せた写真だもういないから
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脳内の写真館に椅子を出しあの子の前でしばし休憩
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やっと来たずっと待ってたちょっと遅いよ昔の家で寛ごう 夢で
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脳内の写真館に入り浸り大事なあの子にそっと手を置く
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「取り壊し」の立札かかる廃屋に的皪てきれきと燃ゆる梅花のほむら
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緑児の時期より見知った顔なれば吾子は亡き医師の手には怯えず
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粧し込む犬と真逆にすっぴんの医師への「おはよう」二度とないのか
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坐する人代わり、机のペン立ての苺柄だけ取り残されて
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吾子の履く虹の長靴綺麗だと微笑む医師は亡き医師の吾子
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とても身近なはずなのにいつも忘れてしまうのは全てを包む空の青さ
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新田しんでんは未知なる神殿 とぐろ巻く青大将の鱗きよらに
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