百年後 君と君の好きな 人の子が ミズキの花を 贈りますよう。
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笑ったり愛想振りまくこともないパンダが見せる俺様スタイル
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「じゃない方」を選び続けて来たらしい 「じゃある方」も似たり寄ったりで
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やわらかな歯科衛生士の指先に歯医者の恐怖たちまちに消え
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秋すすみベンチに引っ込む扇風機、代打まかせたUSB扇風機ファン
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初飲酒 唇舐めて ふと気づく ゲームカセットの裏の味
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我が猫に憧れ買ったファーベスト 見た目も機能も猫様の勝ち
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十五才少年の海を流れ来る花粉航路の壜詰の歌
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ハイヒール脱ぎ捨てタバコの煙越しに見る 先輩キャバ嬢 すっぴん別人
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ギラギラのこのネイルでも掴めるか? 正規雇用と君の胃袋
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会いたさは秋の夜長に咲く桜 実家の前まで迎えにきてよ
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秋晴れに飛行機雲コントレイルのたなびけり見知らぬ人と同じ空見る
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秋雨に 憂いて思う 心情の 思う心 遠きの未来
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秋の朝 “トイレ貸して”と来る客に 張り紙したい “鳥お断り”
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今日はもう疲れて何もする気なし!なんて言ってはみたいと思う
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階段を 昇る途中に ヒコウキが 窓を横切る 幸運のしるし
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貌の無い狩人はキミ 凶悪な水銀に死す畸型のけだもの
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“感性が無いね”と言われ萎むより 萎んだ私の感性褒める
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別れ際ちらりとくれる一瞥いちべつすら 日記に書きたい、きみはかわいい
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良い猫写 撮れたら加工 絵の具風 iPhoneに貯め ニヤつく秋の夜
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僕らだけの宇宙 僕らだけの光 きみは今日から故郷へ帰る
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長ネギを刻む幸せ満ちている 男のための料理教室
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草原を見て美しいと思うように草も渋谷を美しいと思う
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風に乗りベランダ届く秋らしさ 金木犀もくせいの香と運動会の音
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胸傷み横臥にうつ伏せ仰向けと一睡もならず朝陽射し来る
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控え目な銀木犀に気が付いたきっと毎年咲いていたのに
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未練とね 感謝の気持ちともに詰め 区切りをつけた 無名の祝い
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ぼっちでも そうゆう人生ひびと 思ってた 「仮面」外した ひとは君だけ
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検査終え診察室へやに 入れば即オペと救急対応ストレッチャー
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トンネルを1つ抜けるたび空暗く 雨の舞鶴 何食べれるかな
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