死ぬ事と死後の事とを思う時惜しむ誰かが居るのかと問う
7
寒風に雪の匂いのする雨と吊るした柿の振れて夕暮れ
16
人間が店員の皮 被るなり どうして下に 見られるのだろう
5
締時間 多彩なアイテム 投げる僕 キミは一言 ありがとしかない
4
イベントの 締め前アイテム 飛ぶ枠で 私の推しは ありがとBot
4
風景が 筆とキャンバス 色彩の 街も色づく 芸術の秋
6
後世に語り継ぎたい一日で 陽射しの名残が星になってく
11
もう少し 大人になりたいと 少しだけ 大人になり過ぎたの 隙間で生きてる
11
この家にスーツケースを取りに来る それだけの人来て帰ってく
7
スリタカリ街娼達にご用心無人の路地で凍える看板
3
最終の銀座線にて醜女たち潰れた顔で呆けて眠る
5
仏蘭西ふらんすの セールのチーズを山と積み ほろよいを飲む のんびりも良き
8
はんこケース いろんな形があるけれど 実家さとの認印 ミニミニポスト(丸型)
4
世紀末、全てが終わる夜、人を愉しますための打ち上げ花火
5
壊れてくイメージの中で火をつけた客間のピアノは線香薫る
7
あらがえぬ淋しい香気にさそわれてあなたのもとへ歩き出す秋
8
もういないあなたの余熱に触れている教えてもらった曲を聴く時
8
親友と交換日記ノートには ハートマークがこぞって踊る
9
全力で敗れたことを生きがいに曾孫の代までっていくので
6
鶏がらの煮汁にカボス絞り入れ 素材を料理にイメチェンさせる
6
鶏がらのスープにカボス絞り入れ醤油一滴 黄金が滲みる 
6
壁のシミ数えてる間に終わるって言われた273秒
1
甘やかにこがねの星が降る道で立ち止まる背を今も真似てる
9
今さらに蝉のむくろの転がれり色づく紅葉もみじとくと見てゆけ
6
下手がいい下手でいいと言われても必死で描く絵手紙教室
9
情熱の 蒼き炎を 燃えたたせ キミの世界の 君主たるなれ
6
彩りが 消えて寂しい畑には 揺れて咲く花 菊芋きくいもの花
16
栗ご飯 黒豆パンを母と分け 丹波篠山の余韻に浸る
15
薄日射す 畑の隅の キクイモの葉が おいでおいでと 手招きしてる
8
淡路から見渡す大橋 神戸の街 絶景の中に復興の道程ありて
8