「有る」と言うまわして下さいその米を月替わりには買いに行きます /政府様
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台風だ地震だ備えを言われれば米をと思うは無理もないかな
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マティーニのビターズのよう貴女との時間に溶けた少しの苦み
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高齢化理想は何か問われれば白居易のうた中隠のごと
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八月も 終わり近付く 晩夏光ばんかこう 仰ぐと目立つ 鱗雲かな
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白南風しらはえの 梅雨明けた空 眩くて 君と僕とを ただ照らしてる
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暇なとき君の未来をあれこれとばあばの勝手赦しておくれ
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夏暁なつあけに ラジオ体操 挑もうと 寝起きの君の 手をさあ引いて
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今そこに帰りたいとは思わぬがかつての仲間元気でいるか
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県庁のパワはらに吹く上司風じょうしかぜ 嫌がる民草たみくさいまはなびかず
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百日紅さるすべり散ったピンクの花びらが 絨毯じゅうたんのよう花道歩く
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降る雨の雫の中に秋がある 清めの如くわだちを染めて
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楽しんでお金もらえる幸福よ 仕事大好き みなにはないしょ
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長雨や 夏の終いも 感じたる されどプールは 長月までと
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皮を脱ぎ肉を削ぎ落とし骨だけで涼みたくなるこの酷暑かな
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ご主人は何の仕事をしているのそれ今ここで必要ですか/上の句いろいろあるよねー
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雲かかる 月の姿を 望遠鏡 夏のある日の 風の無い夜
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秋近し夜中プーンと羽音する自然に任せトドメを刺さず
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訳あって渡り廊下で殴るヤツ身に降る火の粉おまえは誰だ!/盛大なパクリ
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訳あって下校の時に 囲まれて六対一じゃ袋叩きだ/おい!
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メイドって? いまいちピンと来ぬままに座ったカフェは針の莚よ
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執着を捨てればストンと楽になる直ぐに長月ながづき秋雲の空
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なんとなく煙草臭、隣人の肺腑は真っ黒か、アーメン
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ぐたぐたな単なる愚痴を聴きながら ほうれん草のくたくたを食う
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始発はいつものにぎわい🈵で、ゴウゴウ都心へばく進中
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短歌詠み リズム分からず 詠み直し 玄人の歌 眺めて感銘
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雨上がりそっと傘閉じ見上げれば路肩を埋める紫陽花の群れ
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朝方の南の空に茜雲朱色に染まり秋はもうすぐ
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歳重ね血管浮き立つ腕を見て“ありがとう”って一人呟く
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帰り着く家の明かりがほのぼのと今日の終りのうれしい時間
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