ワイヤレスイヤホン片方充電なくなって そろそろ別れを告げねばならない
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この地球ほしの隅で生きてることじたい息苦しくて吾はエイリアン
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髪うねり泥を跳ね上げ傘失くす 雨嫌いなのは自分のせいか
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ねこたちは おひるのあとの おさんぽだ おろうかさんとか しんしつさんとか(うろうろ)
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カビの季節 パンも果物も要チェック 冷蔵庫さんは無敵じゃないのよ
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梅雨空の 隙間を縫って ウォーキング 深い緑と 潤いに抱かれ
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死ぬ度に君は祈った天国も地獄も来世もないように どうか
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枯れかけの花を囲んで君の真似「がんばれ」と拙く呟いた
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よろこんで開けた窓出たねこさんは軒下でただ濡れる草見る
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もしかしてひとつひとつを端っからやってゆくのがあってるのかな
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大会に我が子は出ぬよ控えだし 義務で行こうか無視して寝よか
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てにをはの短歌辞典を読み始めいまだ「う」にいるひと月と半
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透明のコップの水を線描でいてみるけど水に見えない
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窓ガラス鼻を押し付け落胆す 散歩諦め犬溶けている
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雨音で 目が覚め急ぎ時計見る 今日は日曜 もう一眠り
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生命を緊張感で縛り付け涙も声ももう通れない
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ストレスが想像力を刺激する我々みんな終わりの下僕
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一列に並べる場所がもうなくて胸が苦しいはないちもんめ
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「体調と相談しつついきましょう」「体調くんはもうしにました」
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歩いてる現実こそが天国で想像してる天国は無い
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山背やませ吹く 沸いたお風呂に 浸かったら 底がまだ水 そんな日曜
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あのときの わたしはどんな音楽が 好きだったけな 十三回忌
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ベランダの笹に短冊吊るす子の 小さな指と小さな願い
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うたかたのごとし天気は変わり、予想がつかないのがいい
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梅雨のなか、みどりはあおあお、いきいき、曇天で
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ホリデーの朝、快特でレスピーギのローマの祭を聴きながら献血🩸へ
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欲が出た 貴方のとなりにいるだけで それだけでいいと もう言えないよ
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晴れの日に言っちゃいけない「行かないで」目からあふれる土砂降りの好き
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大罪を負う私のもと垂らされた糸につかまる勇気などない
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日曜日 いちどまぶたをひらくけど 雨のリズムにふたたびまどろむ
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