Utakata
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稲葉理央
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慢性的な鬱状態とパニック障害に苦しむ二十六歳。
小説も書く。
宮田愛萌特派員配下の文化部員。
夏の何もかもが好き。
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八月も 終わり近付く 晩夏光
(
ばんかこう
)
仰ぐと目立つ 鱗雲かな
13
白南風
(
しらはえ
)
の 梅雨明けた空 眩くて 君と僕とを ただ照らしてる
7
夏暁
(
なつあけ
)
に ラジオ体操 挑もうと 寝起きの君の 手をさあ引いて
9
酒呑まれ いつにも増して 大胆に 近付く君の 窄む唇
3
艶のある 君の八重歯が はにかむと 覗くその度 僕もにやける
4
讃えるに 語彙が足りぬは 僕のせい 安易に君を 比喩など出来ぬ
9
枯れの葉の 海に飛び込む 君の名を 呼ぼうとするも 喉が閊
(
つか
)
えて
5
君の居る 世界はこうも 愛おしく 疾
(
はや
)
る動悸に 我を忘れて
9
賽
(
さい
)
を振り 出た目に文句 言う間さえ 惜しむ出先で 己を鼓舞す
7
丸顔を 愛
(
う
)
いと褒めれば すぐ頬を 君は膨らめ ぷんぷん怒る
8
忘れえぬ あの日の君と 汗だくの デコとデコとを ただ突き合わせ
5
陽が裂いた 空の真下に ただ一人 麦わら帽子の 君が佇む
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苦に堪え 揺蕩
(
たゆた
)
う君の 言の葉が 僕の胸裂き 共に泪
(
なみだ
)
す
6
愛萌氏が 飛躍その度 愛憎の 萌ゆるその度 眼がきらきらし
4
白肌が 吸い付く程の 抱擁に 是も非も捨てて ただ身を委ね
6
嫌
(
や
)
な世にも 君さえ居れば 幾分か 悪くはないかと 手を取り合える
8
あの空に 貴方が居ると 思えると 見ててくれよと 啖呵も切れる
11
向日葵を 君になぞらえ 苦楽して 垂れる頭
(
こうべ
)
は 僕に委ねて
9
君の背の 斜め後ろの 席に着き 覗く鎖骨を 眺める日々よ
6
泣く君の 頬に伝った 雫跡
(
しずくあと
)
僕は黙って 肩寄せるだけ
6
手に余る 日々に頭を 悶
(
もだえ
)
つつ 出来る限りを 只こなすだけ
5
小手先の 日々に染み付く 小狡
(
こずる
)
さに やるせなく肩 落としてばかり
11
君の眼に 僕は映るか 映らぬか 澄んだ瞳を 覗き込む日々
9
日に焼けた 跡の理由を 僕だけが 知り得る愉悦 いとし想い出
5
葉溢
(
はこぼ
)
れの 木陰で涼む 土曜日に ベンチで二人 風の凪ぐまま
9
日が長く なっていく程 陽が強く 君が日に日に 小麦に灼ける
6
染み込んだ 君の温度が 手のひらに 匂いの残滓
(
ざんし
)
僕だけのもの
5
紅葉を 見たが見たがと 来てすぐに 通り指差す 乙女の笑顔
3
泡沫の いつかの日々に 思い馳せ 上書きできぬ 君への恋慕
(
れんぼ
)
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お泊りの 後に見つけた 桃色の 君の肌着に 一人歓喜し
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