稲葉理央
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慢性的な鬱状態とパニック障害に苦しむ二十六歳。
小説も書く。
宮田愛萌特派員配下の文化部員。
暑がりなのに夏の何もかもが好き。

手に余る 日々に頭を 悶もだえつつ 出来る限りを 只こなすだけ
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小手先の 日々に染み付く 小狡こずるさに やるせなく肩 落としてばかり
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君の眼に 僕は映るか 映らぬか 澄んだ瞳を 覗き込む日々
9
日に焼けた 跡の理由を 僕だけが 知り得る愉悦 いとし想い出
5
葉溢はこぼれの 木陰で涼む 土曜日に ベンチで二人 風の凪ぐまま
9
日が長く なっていく程 陽が強く 君が日に日に 小麦に灼ける
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染み込んだ  君の温度が 手のひらに 匂いの残滓ざんし 僕だけのもの
5
紅葉を 見たが見たがと 来てすぐに 通り指差す 乙女の笑顔
3
泡沫の いつかの日々に 思い馳せ 上書きできぬ 君への恋慕れんぼ
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お泊りの 後に見つけた 桃色の 君の肌着に 一人歓喜し
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いさかいの 種はいつでも しょうもなく 引くに引けない 意地張り同士
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ワイシャツに 顔を埋うずめる 君を見て そっと戸を閉じ 鼻下伸ばす
5
黄昏を 背にして笑う 君の眼に 宿る茜が 僕さえ染めて
9
口元に 皺が増えたと 嘆く君 数える仕草 可愛すぎかよ
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追う恋に 振り回される 君時雨きみしぐれ 瞼の裏さえ 焼き付くばかり
5
君の眼に 僕は映って いなくても 僕の瞳は 君だけ宿す
5
愛らしく 歯を見せ笑う 目の前の 君の笑顔は ただ愛おしく
4
筋書きの 通りにならぬ 往く日々に 否が応でも 乗り越えるだけ
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エクレアを 好みでないのに 買う理由わけは 愛しい君の 気を引く為さ
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四十五しじゅうごに なったら迎えに 来てと言う 君との契 交わしたあの日
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君の裸を 会えぬ日々だけ 夢想して いつか触れたい 濡れた花びら
6
スカートの 中は誰にも 知れぬ園 触れることさえ 僕は叶わぬ
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紺色の 紐がうっすら 浮かぶシャツ 目を伏す僕の 気すら知らずに
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かじかんだ 指に吐息を 掛ける君 甘い仕草に 僕は悶える
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誰も皆 笑顔の裏で 対峙する 孤独や不安 さえ糧にして
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傷を負い 乾く暇さえ 待たずして 傍から離れ 立ち向かう君
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泣く君に 掛ける言葉は 僕に無く 隣に座して 肩に添うだけ
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世間とは 猫に泳げと 強いる窟あな 叫ぶ怒りが こだまするだけ
6
胸のある 女が良いがと 聞く君は いつも胸元 開いているね
5
祭りの瀬 手引き腕組む 僕達を ばつ悪そうに 横切る少年
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