朝一番お水を変えて掃除する座る場所に座布団を置く
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三十一の 文字ではちょっと 足りないなぁ・・・ 詠みたいことは あまりに多くて
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加害者は どこにでもいる ただの人
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「死」だけを三十一字連ねても僕が抱える死には満たない
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優しさのナイフかざした俺という卑怯な少年壊せ三日月
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中間のテスト終わりし解きかけの問いに身悶う「ワタシノミライハ」
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失くした 恋の数で 優しくなれる けれども僕は それさえ忘れた
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しにざまに文字情報はふくまない来世にコールつないでください
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粉雪の一片舌で溶かしたら柔らかな雲に抱かれる夢想
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朝目覚め窓下の景色眺めれば雪の白さは残酷なほど
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遠い地の あなたへ思いを 飛ばすのを お許しくださる 空の神様
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「君はここにいてもいいよ」 の宣託を 探し続けて迷子になった
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あの頃の記憶が僕を弱らせる こんなものに縛られたくない
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玄関で過ごした夏の一か月 一日一食反省文付き
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若くして 死んだ友を 思い出す 君とはどんどん 年が離れていく
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君の家から 見下ろす景色に 霧が立ったら 僕のため息だと 思ってくれ
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あの人が離れていった私から 優しい想い出に包まれながら泣く
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ぐうの音も出ないくらいに僕のこと言い負かしてくるそんな君が好き
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最終の列車が今日は待ち遠しい君ともうすぐ喧嘩しそうで
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タートルを着た父テールスープ食む 亀と牛とに馳せる夕食
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おやすみと言えばおやすみと返してくれるSiriではなくて愛しいあなたが
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「好き過ぎて苦しい」友の告白を聞いてる私もその人が好き
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君を好きに なるまで僕は 忘れてた 愛し方を 思い出さねば
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君と僕の 出会いはたぶん 必然で 必然でないのは 恋をしたこと
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え、次はどうしたらいいの? 数学を解くように君がわかればいいのに
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ねがいごと 誰か、私を 抱きしめて メールよりも 電話よりも
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こうやって年月が過ぎあの頃は大変だったと早く言えたら
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寝支度もそこそこに沈む君の眼鏡をそっと引き抜く花金
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噛み切れるもんかよそんなやわい歯で(つまんでぜんぶ折ってやりたい)
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唇に君の場合はチェリーだろこれから熟れてくつもりなんだろ
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