さよならは自分自身で決めることピリオドつけずページをめくる
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温かい我が家も手洗いうがいを済ませるまでは敷居が高い
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手の届く 高さの壁紙 はがれてる 僕の手の 爪も割れてる
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目に見える 全てのものを たたき壊したい それもできない 息だけは荒く
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どうしても 君に言ってみたい 「月が綺麗だね」 君は何て 答えるかえすだろうか
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君じゃなければ ならない理由は 何なのさ? どうして僕は 捕われたのか?
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よいものをよくみせるためにたくさんのよくないものを 炊き込みご飯
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ただ一つ 秀でるもの程 強き者無し(一行詩)
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「車菊」初冬にかけて駐車場に隅に咲いたの叔父が教えぬ
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別れ際最後までずっと言えなくて今ならいえるはず「ありがとう」
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慕情かな枯葉集めて手に取れば重ねる波に砂の足跡
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貴方はさ 僕が例え 死んだって 進んでいくだろ 蹲らずに
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〝かなしみに 墓をつくってやったのが この海なのさ〞 くらげは言った
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胸の奥 しがみついてるかさぶたを いともたやすく 剥いでゆく 君
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平積みの新書 知性を食い止める
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母の文字通りの猫なで声 かつての私にも向けられた声
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あたたかい繭の中なら眠れるか 花の咲く頃逢えるか友よ
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人生のはじまりにあるカフェーではコーヒーはただしろくてあまい
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「オワコンだ」知るかうるせぇ黙っとけ ところでそれは、なんて意味だい?
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「お二人で仲良くしなよ」と言ってから パピコを買って一人で食べる
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「今晩は 一ついかが?」とイタズラで 言われる夢を見るハロウィーン
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ぼくたちは夜をさまよう深海魚 出会ったそばから丸呑みし合う
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この次のバザールへ行く機会にはマンゴーを買って臆病を売る
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秋の道 落ち葉が歌う 風のうた 月夜の舞台 ヒールでリズム
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この文字は やがて四次元に進化し 見てな 新たな宇宙を造る
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永遠の 傷をつくって 去ってった 世界を寿ことほぐための祝詞
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「あの頃は大変だったね」 いつの日か笑って言えるときがくるかな
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あなた居ぬ部屋に漂う残り香に 小さき頃の思い出重ねる
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悪報を吉報よりも易々と受け入れてしまう我の習性
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幼児期に寄り添った友引き籠り 今もパズルを解いてるだろうか
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