「そよ」
夏色に染まりつつある教室で君の笑顔は眩しさを増す 1
見る度にニヤけてその後泣きそうになるああ私恋をしている 3
帰り道同じと知った君もあの桜の下を通っていたの 4
秘めていたものさらけ出すようにして君はポツリとロックが好き、と 2
雪のこと「六花」と呼ぶと教わった物知りだった初恋の人 2
音ズレが激しい動画のようなんだ体が心に追いつけなくて 3
文化祭準備を終えた午後八時この空はもう二度と見れない 2
笑わない彼女が笑みをこぼすたび僕の心に向日葵が咲く 1
夏服の彼の背中が眩しくて あ、今私、恋に落ちた、 1
「好きだ」って貴方が言ってくれたから私は私を好きになれたの 1
数学はさっぱりだけど現国は得意で君の気持ちも読める 0
前の席隣に座るふたりとも耳が赤くて甘酸っぱいね 0
君の背は対角線の端の席遠いよ次の席替えこそは 1
今日の風白く儚い目の前の君を天使に変えそうなほど 3
エアコンと自然の風を感じつつパソコン室で白シャツ眺む 0
「あえいおう」渡り廊下で演劇部出してる声は誰もに響く 0
丁寧で見やすい板書の先生の授業は背筋を伸ばして受ける 0
教室が嫌いじゃないと気づいたら風がそよいだ午後三時半 3
誰にでもそっと誰かを想う夜(よ)があるから星は光を放つ 2
「またあした」優しい君の挨拶がぽすっと僕の心に届く 2
プリントを回す時目を見て「はいどうぞ」なんて言うのは君くらいだよ 2
どろどろと絵の具が混ざっているようなまだらな色の私の心 3
目が合っただけでキスでもしたような甘い気持ちになる片想い 8
「私」でも「僕」でもなんでもいいからさ自分の好きな自分でいてよ 2
アイドルのように無理して笑う君無理すんなって言ってやりたい 2
この恋は蜂蜜みたいな味がする濃くて甘くて胸が焼けそう 2
ああもっと聞いておいたら良かったな眠い授業も貴方の声も 3
初夏の夜空見るだけで泣きそうな程苦しいよ君のせいだよ 1
せっけんとシトラスで迷う制汗剤君はどっちが好きなのですか 3
玉ねぎを切り涙する瞬間に生きているって実感できた 1