気づいたら 溺れるみたいに 苦しくて だからあなたに この手を伸ばす
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「ライブT 推しと僕らの ペアルック」 「ペアではないね、いっぱいいるね」
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白い泡いっしょに僕の切なさも洗い流して 頼むよシャンプー
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こっそりと父の箪笥を開けてみる今年一番緊張の午後
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覚えても寝ても覚めても忘れても胸を焦がした恋の記憶に
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恋文は読破したのか?前人の未踏の山に二文字を追うよ
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シャキシャキの歯応えばっか含んだら恋の痛みにポロッと泣くね
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「老人のつぶやき」の如く恋をせむ青年詩人哀しかりけり
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5mgの眠剤と 僕の忍耐力の 勝負では 到底薬は 僕にかなわない
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時代を 席巻している iphoneだって 一〇〇年経ったら 無用の長物
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生きるため 生きていくための 概念って 今生きるひとが 作り出した概念
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一粒の 5mgの眠剤を 飲んで唱える 早く、早くと
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地獄なんて 人の作った 概念で 墜ちたところで 既に死んでる
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顔は笑って いても心は 泣きそうで 家族揃っての 夕飯が辛い
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団欒だんらんの 時に生きる資格の ない僕は 幸せそうに 演じているだけ
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怖いけど此処にいてもしょうがない貴方がいない私もいない
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貴方には思いばかりを話してたごめんね重いありがと貴方
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信じたいけれどどの糸たぐればいいみんな みんなのせいで面倒
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しゃぼん玉のきらきらがあさってのほうの屋根まで飛んではじけてうつむく
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恐がっちゃだめだひとつだけ踏みだしてあなたと瞳をあわせていくの
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底抜けにこどものつもりだったのに眉間の皺の下卑た哀愁
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深夜にて籠もるバナナのあまい香りそくばくてきな檻のなかみたい
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生きるため最低限でもF難度 人は賢くなりすぎたのか
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貴方の所為 融けた心を削り取る ラクレットみたい笑っちゃうよね
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千本の鳥居くぐりたりまだ母と親子ごっこができてた頃に
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中指でたどる左に巻くつむじ ここを世界の中心とする
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助手席から 君の声が しないのは それはもはや 違和感でしかない
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この言葉 舐めると少し甘いでしょう? だって優しさとは違うもの
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あの日から忘れられなくなりました 鬱を漢字で書けます、私
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君がまた明日も歩いてゆくために僕はここでお茶を淹れるよ
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