Utakata
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猫谷しゅう
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帆立みく 、桃香でもあります。よろしくお願いいたします。
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とりどりの油彩で花を足すようにランドセル群れゆく通学路
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春風が撫でたところが泡立ってゆくように花ひらく白梅
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絶滅をゆるくしながら人類の不和は尽きない賑わうテレビ
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沈黙に目隠しをするようにやや音量あげて聴くカーラジオ
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この先の未来のどこか予約するように見初めて買うワンピース
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苔のむす森深くまで分け入った心地でひらく古書店のドア
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さみしさは歪なかたち自分でもわからないのに猫が収まる
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なつかしい夕日のような声がまだ鼓膜にあってふとあたたまる
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冬なのに暦を越えた晴れぼくのどこかうっかり咲きそうになる
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人よりも劣るところを伸びしろと言い換え今日の月があかるい
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憧れにふいに襲われ文豪のような眼鏡を試す夕暮れ
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いつだって君の味方という目して犬はわたしの砦になった
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焼きたてのクロワッサンを食べるよう音弾ませて霜をふむ朝
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しあわせと美味しいはほぼ同義語でついつい落ちるカロリーの罠
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灯台が夜に亀裂を走らせて光る地上のポラリスとして
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便箋にひと文字目書く心地して踏み出す朝のいちめんの雪
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図書館の細胞を取り戻すよう返却本を手にして司書は
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焼き芋の温もり胸にあて僕のこころをすこし追い焚きしてる
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感情を試着するよう小説の主人公へと思いを馳せる
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代替わりしていく家電に囲まれて経年劣化する僕がいる
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白くいることはこの世でむずかしいエスプレッソで崩れるバニラ
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今年もう会わない人と真昼間のきつねうどんでしんみりとする
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うずくまる白鳥たちが綿雲のようにくつろぐ冬の湖
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そびえ立つビル群の窓ひしめいてほのかに夜はひかりの編み図
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いい人の境界線に立つきっと優しすぎると僕がなくなる
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ティーパックひとつ浸して空想の入道雲が湧くゆふまぐれ
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唐突なきみの恋バナいま僕の耐震性が試されている
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永遠を蜻蛉がよぎるように浮くほんのり灯るガレのランプで
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未来へと描く絵筆を持って子は夢の原子を抱えて眠る
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三日月がニヒルに笑い平凡な日々を脱線したくなる夜
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