Utakata
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猫谷しゅう
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帆立みく 、桃香でもあります。よろしくお願いいたします。
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休日に何してるのか折り紙にかるく折り目をつけるよう訊く
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感情をおぼえたように藤が揺れきみと出会ったあの日をおもう
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夜に吸い込まれそうな日 会うきみを北極星とおもって歩く
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ただ飾る言葉にたぶん正解がなくてふたりで見ている夕日
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やさしさに包まれてたい唇に触れるよう降る春雨の野辺
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乾く喉うるおすように静けさへゆっくり脳を浸す図書館
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あれはゾウこれは鯨と子が雲に名付けひとときできる楽園
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雨粒のひとつひとつがハート型してるみたいだ相合傘は
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休日にミルを回せば羅針盤めくうららかな朝の珈琲
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全身を感覚にして前に立つそんな心地の抽象画展
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花びらがひとつ舞い込み時を止めているみたいな古書店に春
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思い出は濃くなるでしょういつか死をじっと見つめる獣になって
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乗客のすべてが降りて終バスは夜の棺となり眠る町
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煌めきに花野をおもう蜂蜜の光りを舐めた人から春へ
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ぎこちなく色をあなたと足してゆく日々はパレット絵を描くまえの
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はなやかな陽ざしに春の糸口を見つけすべてがひかりだす朝
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人肌に悲しみひとつ馴染ませて紅茶を淹れる春はすぐそこ
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いい人の鎧を剥がす銀色の雨さみしさがほのあたたかい
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春が来る夢の浅瀬をゆくように心へ香る蝋梅の道
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対岸のホームに分かれ強力な磁石のように僕ら手を振る
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お互いの理想で出来た中庭を見せ合うように花を選んだ
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どこからが空か答えを探すよう好きな理由がないままの好き
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帰路すこし聴きながらゆく傘の肌あたる雨粒たちのショパンを
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雪原を割けば春だと足跡で切り取り線をつける野うさぎ
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春風が吹いた狼煙にするために桜色したストールを買う
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読むぼくを労うように伏線が回収される推理小説
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モノクロの写真に在りし色彩を見る祖母の目に広がる花野
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風になる犬と駆け出す少しだけ浮力を授けられた心地で
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悲しみが沈むまで待つ上澄みの水面へとまたひかり差すよう
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さみしさに杭
(
くい
)
打つような雨わたしきっとあなたの知らない顔だ
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