Utakata
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猫谷しゅう
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帆立みく 、桃香でもあります。よろしくお願いいたします。
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胎児へと還すみたいに猫を抱く足りないものを補うように
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おはようを淡く重ねて輪郭をつくる君との絵はまだ素描
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風も木も自然はすべて感情の器になった詩人の瞳
(
め
)
には
3
春雨のやさしい牢に囚われてより鮮やかだ本の景色は
6
横道に逸れた話は広がっていつしか波紋だらけの水面
3
待ち人に手を振るように柔らかく橋に結ばれているストール
4
休日の朝を調律するように珈琲豆をていねいに挽く
15
雨だから傘さすように淋しいと僕を思ってほしいとおもう
16
レコードがのどかに回る地球からすれば私もわずかなノイズ
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静けさが響く図書館その中に気の合う本の鼓動をさがす
6
両脇に花の並んだ庭をゆく猫のランウェイ見届けて 春
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蛹から抜け出たような朝にいて珈琲を飲むはじめての町
6
陽だまりに浸かりすぎたと猫がやや春の死角でひと休みする
7
装丁に惹かれた本を紐解いてゆくよう君を知るこの日々は
4
寄せて引く波打ち際がかろやかなフレアスカートめく春のうみ
3
ここからが春だと澄んだ晴れ空に飛行機雲が境界を引く
3
回遊魚みたいに過ごす少女らは渋谷の街を水槽にして
4
たましいを吹き込むように画家は絵の瞳にひかり一粒のせた
4
あどけない雪のひとひらひとひらが結ばれ冬の編み図はすすむ
7
夕焼けと夜の抱擁みとどけて一番星はつよくなりゆく
5
とりどりの落ち葉を敷きつめて秋のパッチワークをつくる公園
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語りかけられた気のする本を手にとる沈黙が憩う図書館
3
この部屋はぼくの楽園ぼくだけが知るバランスで保たれている
9
花柄の布団カバーの野にダイブしてまだ遠い春にまどろむ
7
今生の別れのような顔で朝見送りをするポチのルーティン
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星空のひかり遮る東京は明るく夜に逆らっている
4
奥へゆくほどに濃くなる古書店の匂いに本の樹海を惑う
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静けさの結界いっしゅん解くように咳払いする展示室B
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なおらない寝癖を冴えたアンテナにして聞く弾む秋の足音
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ぼくたちの出番だ空でほのぼのと秋の行進するひつじ雲
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