Utakata
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猫谷しゅう
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帆立みく 、桃香でもあります。よろしくお願いいたします。
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さみしさの居場所とおもう雨だれの音がやさしく溜まる窓辺は
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町じゅうに朝を杭打つようにして配達員が新聞をさす
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出迎えてくれると分かる犬の待つ帰路は一等星のあかるさ
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空を刺すように乾杯 夏の牙みたいなラムネ瓶を掲げて
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外界をプールの底は遮断してここは真夏のひかりの棺
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贋作を見破るような眼差しに射抜かれている面接室で
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もう君の匂いも消えたこの部屋は墨絵のようで花を買い足す
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イヤホンをとつぜん外されるように夏を証明する蝉時雨
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しあわせをあきらめないで生きてゆくビールグラスもちゃんと冷やして
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感情が想定内をはみ出して気づいてしまう好きの領域
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放たれて月に遠吠えするようなクレーンたちの工場夜景
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獏が食べ残した夢の断片をパズルのように当てはめる朝
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居間にあるバリの土産でいただいたお面がずっと他人行儀だ
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降り出した雨があたって街じゅうをパーカッションにしてゆく夜更け
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ていねいに型紙をとるよう暮らす身の丈に合う凪をもとめて
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さみしさを磁石のように吸い寄せる夜によく合う詩集をひらく
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平素よりお世話になっておりますという目で猫がねだるおかわり
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それぞれがつくる時空のシェルターに籠るみたいに過ごす図書館
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大輪のダリアみたいに笑い合うカフェをかつての放課後にして
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知恵の輪が解けるときにはあっけない無いとおもっていた次の恋
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深い霧立ち込めている道になる恋と認めたすぐその先は
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休日に何してるのか折り紙にかるく折り目をつけるよう訊く
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感情をおぼえたように藤が揺れきみと出会ったあの日をおもう
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夜に吸い込まれそうな日 会うきみを北極星とおもって歩く
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ただ飾る言葉にたぶん正解がなくてふたりで見ている夕日
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やさしさに包まれてたい唇に触れるよう降る春雨の野辺
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乾く喉うるおすように静けさへゆっくり脳を浸す図書館
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あれはゾウこれは鯨と子が雲に名付けひとときできる楽園
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雨粒のひとつひとつがハート型してるみたいだ相合傘は
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休日にミルを回せば羅針盤めくうららかな朝の珈琲
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