Utakata
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猫谷しゅう
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帆立みく 、桃香でもあります。よろしくお願いいたします。
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焼き芋の温もり胸にあて僕のこころをすこし追い焚きしてる
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感情を試着するよう小説の主人公へと思いを馳せる
13
代替わりしていく家電に囲まれて経年劣化する僕がいる
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白くいることはこの世でむずかしいエスプレッソで崩れるバニラ
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今年もう会わない人と真昼間のきつねうどんでしんみりとする
12
うずくまる白鳥たちが綿雲のようにくつろぐ冬の湖
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そびえ立つビル群の窓ひしめいてほのかに夜はひかりの編み図
8
いい人の境界線に立つきっと優しすぎると僕がなくなる
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ティーパックひとつ浸して空想の入道雲が湧くゆふまぐれ
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唐突なきみの恋バナいま僕の耐震性が試されている
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永遠を蜻蛉がよぎるように浮くほんのり灯るガレのランプで
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未来へと描く絵筆を持って子は夢の原子を抱えて眠る
5
三日月がニヒルに笑い平凡な日々を脱線したくなる夜
6
シャインマスカット手にしてドラクエの勇者のようにレジへとすすむ
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履歴書の本音に蓋をするように明朝体がやけに冷ややか
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ふと香りやさしく肩を叩かれたような金木犀と来る秋
7
きみのその微笑みをあらわすのには言葉はとてもちいさな器
9
行列の一番まえにこぎつけて最大級に恋する気持ち
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真夜中へ錨をおろすよう本をひらく夢との境界線で
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歯車が一途に回るしとやかな音の棺となるオルゴール
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夜を研ぐようにページをめくるたびリアルになってゆく主人公
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点火するようにコキアは色づいてクレッシェンドで秋が駆け出す
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主旋律奏でるように街を行くあたらしい靴履いた秋晴れ
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画材屋は変わらずあったガーネット溶かしたような夕暮れの街
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さみしさの居場所とおもう雨だれの音がやさしく溜まる窓辺は
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町じゅうに朝を杭打つようにして配達員が新聞をさす
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出迎えてくれると分かる犬の待つ帰路は一等星のあかるさ
13
空を刺すように乾杯 夏の牙みたいなラムネ瓶を掲げて
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外界をプールの底は遮断してここは真夏のひかりの棺
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贋作を見破るような眼差しに射抜かれている面接室で
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