Utakata
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猫谷しゅう
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帆立みく 、桃香でもあります。よろしくお願いいたします。
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悲しみが沈むまで待つ上澄みの水面へとまたひかり差すよう
7
さみしさに杭
(
くい
)
打つような雨わたしきっとあなたの知らない顔だ
6
吹き出しのように紅茶の湯気のぼり無言で冬を語る雪空
5
遊園地その賑わいのゼンマイを巻くようまわる回転木馬
5
舞う蝶とおだやかに戯れるようイチョウ並木を老犬とゆく
4
さよならが笑い話になる日までワインを寝かすよう胸に抱く
8
しゃぼん玉その飛び方でなんとなく分かってしまう風の表情
4
心にも怠けてしまう筋肉はあってなかなか好きが言えない
6
港へと寄るごと栞挟みつつゆっくり本の航路をすすむ
5
丁字路でどちらにするか幸運が匂う気のする方ゆく散歩
8
晩鐘の絵を描いている秋風に揺れる窓辺のカーテンを描き
4
ほっとする「あったか〜い」の缶たちはきっと魂くらいの温度
13
普段から温存してたやる気みな衣替えして使ってしまう
5
清廉なメトロノームもたましいのビートで狂いたいときがある
4
淋しさの治癒を促す
(
かさぶた
)
瘡蓋のように寝るとき猫が貼り付く
5
どうだっていい日はなくて硬くなる感情もよく湯船でほぐす
6
沿線にコスモスの群れ揺れていて天国へ行くみたいに列車
4
蝋燭の火を手のひらで守るよう君の名を呼ぶ「おやすみ」のあと
7
試さない何通りかの気晴らしを考えて気晴らしをしている
5
さみしさが泡立つ夜をていねいに洗うみたいに秋雨が降る
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QRコード作ってゆくように競
(
せ
(
)
)
ってオセロの勝負はすすむ
7
背表紙を順に眺めて神さまがこれとささやく図書館の凪
7
感動は不意打ちだったりするものでフォルテッシモの夕陽を見てる
8
秋が産む稲穂の波へ畦道はモーゼが通るようにのびゆく
6
過ぎてゆく夏の墓標として麦茶ボトルは減らず静かに冷える
5
夕暮れと夜の境を通知するような一番星の哀愁
3
ブローチのように麦わら帽子へとトンボあなたを風景にして
6
教会へ差し込むひかり穏やかな虹を編みゆくステンドグラス
5
山頂に光り疲れた星もひと休みするよう置かれてる椅子
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きらきらと波間へと射す太陽の点描が心を焦がす夏
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