古希すぎてかど取れ丸くなり損ねトゲトゲつののウイルスに似て
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推しメンのワンマンライブがある街へオッカケのつま付帯するつま
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遅延にて 見知らぬ一駅 歩いてみる 詩的な期待も 日差しで消沈
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思春期の娘か父をとほざけて寝起きのわるい下は四歳
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独身の友の誘いは悪魔的ことわってする妄想は無料ただ
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朝一の事務所はいれば正体がつぎつぎばれる白衣作業者
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若者が 切々と詠む 平和の詩 目を閉じ思ふ に出来ること/ 沖縄慰霊の日
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かきこもり日射しも見えでほどふればいとどこの世を卯花腐うのはなくたし
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穴空きしスニーカー「まだ履ける」息子キミが言う 「ごめん」の代わりに 頭わしわし
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来た道と これからの道 長々と 普通選挙 今日で百年
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禁酒して脳がきれいになったなら魔法が切れてここは地獄か
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日々起こる身体の不調見つけてはストレスのせいならいいのに、と
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顔を伏せ手を握りしめ眠る人夢の中でも休めないのか
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毎日が明日の準備に使われる生まれた日から決まってた今日
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呼び方を変えることから始めよう 例:低気圧から地獄 とか。
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爆音で 駅のホームに響き出す いつかのアラーム 忘れた頃に
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花の名前を指折り数えるきみの手が止まる瞬間春が戸を叩く
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繰り返し歌うよきみと出会った時のこと 花は渡せば枯れてしまうから
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あせも止め 吾子の体に塗る薬 小さな小さな背中を撫でる
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優しさは循環してる君がもし受け取ったなら君がしたこと
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雨あがる小花を散らしアジサイは 準備万端オッケー暑くなるぞと
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この箱でいつも溺れているんです 終身刑って聞いてないです
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死の充ちる車内に夜霧が流れ込み 「海の匂いだ」まだ生きている
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朝が来る「薄キ瞼ハ陥落セリ」永遠に繰り返される暴力
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「等」というその一文字に込められた面倒くささに絶望する等
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飲んじゃって。楽しんじゃって。今だけは。今日もガザの子の腕がちぎれる
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梅酒つけ落ちた砂糖に招かざる蟻ぞろぞろとうたげに集う
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かけがえがない部品ばかりだが壊れ続ける欠陥品
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エンディング曲の違和感語り合い 映画を見る会終わっていきぬ
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顔だけでも笑っておこう幸せだしわ寄せだ幸せだシワワセダ
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