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薄紙で すっと指先切りしごと 時折疼く古き後悔
27
強面で 坊主頭の 私だが 女子力高く 主婦と気が合う
13
同僚に 度々頂く 夏野菜 今夜は胡瓜を 丸かじり呑む
16
せせら流れる小川すら 行くあてが あるというのに 私ときたら
5
いろいろと思いをいたし念仏す宇宙へ行った犬の運命
7
月食が話題を飾る一夜きり 既望の夜も変わらず照らす
5
青空の下で交わした約束が消えなければと願った夏を
8
高速の流れる景色にすすきの穂 秋の日差しの川面のように
30
人形も人形なりのプライドで抗っているクレーンゲーム
14
隠れ里 そんな世界に いるような 苔むす庭に 日常忘れ
26
太陽がどこかの星に恋をして燃えてるのだと解釈したい/残暑
34
ベンチから 見上げる雲が 走ってて こんなところにおいてかないで
8
LINE する相手そんなにいるでなし でもスタンプはいっぱい欲しい
22
道端の
百日草
(
ヒャクニチソウ
)
は鮮やかに 夏を
謳歌
(
おうか
)
す 終わらぬ夏を
17
食洗機 シリコンプラは 苦手なり 便利な物は 無くても平気
11
全員が誰かの大事な人でありみんなのどうでもいい人である
9
コンビニに天才ハッカーやって来てやっぱエナドリとグミを買った
5
肩を落とし帰宅す
吾
(
われ
)
を 気に掛ける
夫
(
つま
)
の 寿司屋への誘ひに沁むる
24
懐かしい匂いと声に乱されて 危うく君を引き止めかけた
15
そろそろか トンネル抜ける 僕じゃない 誰かと過ごす 時を感じて
4
通知鳴る記憶あやしきリマインド 予定入れるを促すそれで
10
くどくどと云いし隣人カウンター出されたものは全部食ふべし
13
圧力のことば貼りつくわが父に後期高齢者といふラベル
13
石畳 打ち水かかり 非日常 木陰の苔が 彩り添えて
27
雷が雨音叩く犬怯え嚔
(
くしゃみ
)
をしたら翔んで吠えられ
10
立ち止まり振り向きざまに
睨
(
ね
)
めつけてゆっくりと去り無頼やせ猫
22
秋風や 雨のお連れは お待ちあれ ブラウス乾いた ハンカチが未だ
13
内手首、
黒子
(
ほくろ
)
がふたつ腐れ縁 「蛇に噛まれた」などと
嘯
(
うそぶ
)
き
8
年取りて好きになったな水戸黄門そそくさ帰りテレビの前に
18
随分と涼しくなったそよ風と秋に取り残されて鳴く蝉
9
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