satoh
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空席の光を抱いた矢は翔んで 置き傘ひとつ雨を待ち受ける
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「終電がくる前に」と線路越え 手旗のようなシャツを振るきみ
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冷房の切れた車内で時計だけ 爪を噛んではまた吐き戻す
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炎昼のアスファルトから蒸つ銀河 靴底でまだ鳴っている蝉
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ハルシオン バターナイフでひとすくい プレイステーション 羊頭のセスナ
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寒くても寝返りしてもほろ酔いの幌が剥がれて鳩に宵乞う
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あまりにも早くくる春,買い置きの包みのなかで枯れてしまった
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