強かに酔って詠った我が歌は酔い覚めに見る吐瀉物のごと
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始発で座禅、空梅雨の猛暑日は、淡々と勤めをこなすことか合掌
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休みの日いつも行ってた地下街の 輸入雑貨の店に立ち寄る
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予約増え子宮頸がん検診に月木金と出勤の夏
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花も夜眠るのだろうか 紫陽花の 瑠璃色に降る 墨色の夜
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受付で診察券を探してる 見覚えのある初老の男
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なんとなくふらり入ったコンビニに 見覚えのある男がひとり
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いつきても店は開いてて席もある そんな大人に俺はなりたい
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言の葉を寝起き頭で紡ぎつつ濃いコーヒーをちびちびすする
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ぎの価値観をさも大層なものであるかのように説く僕
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音楽の夏はあんなに好きなのに俗世の夏はなんというかまあ
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「光あれ」その一言で俺達は数え切れないほどの苦悩を
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気が付けばあなたがあなたになっていく わたしはわたしになれないままで
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溢れないように想いを圧縮す色濃く滲む青春シロップ
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幻の白いオオカミの赤ちゃんだ! 生後一ヶ月いまの体重で うちのら程(笑)>健やかに育ってね
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録画見て削除をするか悩んでるハードディスクのダイエットには
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涼やかに跳ねも飛ばさず雨の中歩ける女性ひとに なりたいもんだ!
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ぬいぐるみぶら下がり揺る背のバッグそんなに付けて重たかろうて
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食洗機家事時短の優れものもう手放せない家電かな
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キラキラと宝石のような輝きをサンキャッチャーで光の幸運
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梅雨の朝かわいくない早とちりして ここに座っていられるのは運
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寝たばこと麦酒の苦さ知る歳に猥本めくるオスの丑三つ/こら!
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もう2か月も声聞いてない ブレイカウェイを大声で口ずさむ/トレイシー・ウルマン
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手をつなぎ 唇重ね 肩を抱く できるか明日の 完全試合
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ジャンケンで境内登るわたしたちその差を指で折って数える
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爆弾を抱いて飛んだ若人の無念の叫び雲より還らず/字余り
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高らかに生の賛歌を謳ってたわけじゃないのねショスタコーヴィチ
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月曜朝 テレビの占い 最下位 線路は続くよ 私のとこまで
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長生きをしてみようかな 健康に興味ないけどきみのためにさ
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ねむれない六月の夜はひたすらにエアコンの声に耳を澄ませる
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