読了し閉じた表紙をふと見れば『トリアングル』と記されてをり/勘違い
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何だろな何をするにも忌避感が前に居座り通せん坊する
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ツツジ咲くみずうみ一緒に観に行くと約束したろ 今日から五月
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疑問ある なんでなんでと 気持ち悪い 夜も眠れず 昼寝しとこ
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孤独ほど 楽しいものは 他にない 束縛ないし 素の自分でいれる
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闇バイト ホワイトバイト 何のバイト 赤青黄色 信号機のバイトか?
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嘘をつく それを誤魔化す 嘘をつく 積み重なって 嘘のピラミッド完成
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風に運ばれくる 透き通りし酸素 緑より授かりし賜物
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いじわるに ハンカチーフを しましまと 粉に戻った ココアシガレット
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庭に咲くナガミヒナゲシ三本をせつなくも抜くあやめが見てた
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かあさまの介護辛き日赤ベゴがあなたを見ているユーモア揺らし
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わたしから好きって告げて始めたら枕を占領しちゃってます
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二人より一人がいいって言われればそうねと思うそんな二人です
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見る人もなき道端の花よ他の花が散っても咲いていておくれ
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ゴールデンウィークなればと言はれても週休五日の老いはルーティン
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川向こふ山藤垂れる木立にて今日聞くウグイスいと美声なり
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ぎこちなき 初鳴き頃の鶯も 初夏の頃には名人となり 
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ハルシオン バターナイフでひとすくい プレイステーション 羊頭のセスナ
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寒くても寝返りしてもほろ酔いの幌が剥がれて鳩に宵乞う
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あまりにも早くくる春,買い置きの包みのなかで枯れてしまった
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長くてもいいよアナタを聞かせてよヨボヨボになるまで話そうよ
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世紀末生まれのぼくも吞み込んで世界を変えろ令和世代よ
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人生を決定できる人になりたかったと食うジャンクフードを
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夜毎よるごとの薬を切らし這い出した 毛布の外はちょっと寒いな
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一日が あっというまに 過ぎていき 今年も残り 三分の二
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悪性のしこりを胸に焼き棄てて少し明るい海に漕ぎ出す
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新しき令和の「アン」の登場に広がる世界をまた楽しまん
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旅先の 真黒まくろの空に 二日月ふつかづき かげなる球形すがた おどろに浮かび
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はじまりの熱が恋しい 色あせた本の頁を片手間に繰る
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甘い物欲す身なれど独り身で買っていいのか柏餅とか
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