葉桜の土手の下には春紫苑はるじおん 愛でられずとも揚々と咲く
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彼の人の背中をきっと押しただろうあなたの背中を見ている私
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連休は 大掃除とか 断捨離を できたらいいな (する気はないな)
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幾千の冷たい手に包まれておんなじ病気で君と死にたい
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掻きむしり真白の頭蓋を空に見せはっきりとした曇りに烏
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寝ることで ワープリセット 逃避でも 一回休み これでいいのだ
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あちこちと動けば猫もそちこちと磁石みたいにくっつき踏まれ
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連休に 出かける予定 ないけれど 食料だけは ゆるく散財
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待ってくれもう少しだけ待ってくれ 無事是貴人の域に入るは 
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新緑の隙間に見える青空に犬とステップ尻尾はタクト
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年取れば時の流れは速くなり今年も過ぎた三分の一
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休み中やりたい事はあったけどうまく行かずに今日は寝ちゃった
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湯くぐりて この時季ときはなつ芳香かな わさびの葉花おひたしにして
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鍵を挿す乱暴な仕草あの子にもそういう扱いかたしてるのね
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「もう一度触れてください」切なげにだれかを呼び止める改札機
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空の指輪に薬指を添えて あなたと私の未来も少々
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盛夏には大き葉繁るプラタナス 木漏れ日きらめく新緑も良し
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スーパーのチラシを熟読する旦那ガトー・オ・ショコラをほおばる奥様
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翼なんか要らないんだ。翼が欲しくなる世界が消えてください。
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「雷の季節が来るね野球少年が 犠牲バントを拒否しだす頃合に」
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臆病なカウボーイの話しよう 入れ歯で噛めない肉を前にして
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風薫る 友に誘はれ 訪問の道中に 開花のハナミズキ
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(?)(疑問符をかっこで閉じたの)使われるたびに安堵する 皆共通だと
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君にしてみれば いつもの夏だった 想いが届く わけもなかった
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あさってのやりくりのため生きる今日。 頑張れと呪う敵は顔見知り。
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来世デハ、鳥ニナラウカ木ニナラウ、花モイイナト、目ヲ閉ヂワスレ
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鴨川があんまり綺麗だったから君に連絡したくなったの
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愛について考え出すな!早く寝ろ! エモーショナルなB級映画
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冬枯れを越えて枝々ざわざわと葉を吹き出してむず痒そうだ
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午後五時の 風が涼しい 散歩みち 七つ転んで 八回起きて
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