あ、踊ろうと思って乗った京都行き ボコボコにされた日の日記
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ごとに羽織る上着も厚くなる 空気と相談パーカーを着る
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車内には早くもコート着る人と シャツ一枚の人もまだいて
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自転車で坂を上れず身に染むは電動補助のなき辛さなり
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卵から孵化してみればその日から 強制参加のデスゲームです
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秋寒の 季節となりても二十四度 窓からフッと 白風入り来る
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イベントの残り香ねむる公園の静逸の朝ひよどりの鳴く
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わくら葉の 落つる柿の木 寒々と 若葉の頃の 姿懐かしむ 
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片恋を 始めたときから 伸ばしてる 黒髪ついに 貴女に追いつき
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知らぬ間に 曇った眼鏡を拭きながら 泣いていたのは 私か硝子か
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目が覚めて ひとことぽつり ねぇ起きてる? ひとことの返事 ひとときの幸せ
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霜月と 思えぬ陽気 木々達も 葉を揺らしては 秋を愉しむ
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北の国より帰還、こちら暖かくいい秋みつけた。
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幸福を 追うばっかりに 過去に手を 伸ばしてしまうの 未練はないのに
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雨の日も楽しかったの何故だろう未来を持った子供だからだ
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ストーブの やかんのお湯を 湯たんぽに これからずっと 春まで続く
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丁寧に跡を濁さず漏れ出した音楽だけを残し さびしい
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窓枠に忘れ物あり夏の虫わたしも同じ人生一度
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「幽霊の正体見たり」波の花 げにあるものにも怪しきものぞ
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天平いにしへの写経の労苦 如何いかほどと 几帳面なる筆の運びに /正倉院展
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潔く 白黒つけて みたいけど 思い知るのは グレースケール
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商業化されていくんだこの夜も カメラアプリを開く友達
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こんなこと言って良いやら悪いやら言わぬが花ということもあり
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死について歌題とするは解れども共感できず申し訳なし
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泡盛と炭酸水を今夜呑むささやかだけど良き日うれしく
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夜行バス遮光カーテンの隙間からオレンジのひかりただながれてく
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十五才クラリネットで追う譜面たそがれ迫る音楽室で
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横に寝るお尻だけを触れさせて仔犬は私を愛してくれる
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温室でパイナップルがすくすくと育ち立派な果実を見せた
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「ねじ式」が文化勲章って それじゃ蛭子もいつか勲章?!
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