ギリシアの哲学者だけハブられた世界会議に俺はいない
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銀河から忘れ去られた銀でない星の行方は南アフリカ
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緩慢な弾の射線に躍り出てあたってみせた十九のころよ
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首筋をぬるりと伝う汗だけが私の生を示しています
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見つめたい声を聞きたい愛されたい今までそれは他人事だった
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公園のブランコ漕いで懐かしむ沈む夕日を追いかけた頃
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剣もといペンがおぼえた血の味で筆まめを知るサイコメトリィ
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湯上がりの 側を通りし 君なれば そっと抱き寄せ 黒髪をかぐ
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息を止めてプールの底から見上げた空のきらめきに似ていますね
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第三次大戦は既に進行中 フリックフリックミサイル発射
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天国にないもの教えてあげようか?嘘と苦痛と小説と詩と
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君がいるからもう背筋は伸ばせないままで生きるよ多分きっとね
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怨霊となって貴方の無防備な耳殻みみがらを噛む七日目の夜
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くだらねぇ そうつぶやいた 横顔の 君思い出したくて 影を探す
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ヒナゲシは冬を越す種そう言った帰らぬ人に花摘んでひとり
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本丸に俺だけひとりのこされるゆめでめざめて外は大雪
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地球にもぺるそなありや蒼ぐろきものをかくして薄氷は浮く
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生ぬるき雨降りやまず罪深き俺のかたちをたしかめて落つ
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ほころびてぼやけた白の輪郭をなぞるごとくにくちなしの花
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なにひとつ思いつかない時にこそなぜか詠みたい短歌の欲求
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鼻がつんとするのは梔子のせい じゃなくて(ゆりかごはゆれている)
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来世とか信じる?生まれ変わるなら天使と神様どっちを選ぶ?
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洪水が来たりて太陽燦々と メントスコーラで吹きあがる蟻
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ゆっくりと煙草の箱にキスをしてそれきり姿を見せなくなった
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喉渇きジュースを買いにコンビニへ百円玉を握りしめつつ
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自販機で君が買ってたジュース飲む少し大人の味がしている
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唇を求めるように傾ける石膏像の冷えた鼻筋
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何気なくぼやいた息がひとりでに三十一文字みそひともじになっていく喉
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バタバタと 地球の上で 騒いでる 何で一つに なれないのだろ
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クレームの嵐に耐えて炭と化し 夏の蚊取りに親愛の情
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