花火の色は炎色反応だと教えてくれた君が好きでした
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僕の好きな色はね天気雨の色 色の名前はわからないけど
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詩情さえ置き去りにして消えるなら代わりにぼくが李徴となろう
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目上げたら空がシトラス色っぽいシトラス色は知らないけれど
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「他の人誘ってますか」 文字だけの予防線さえ青く痛くて
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私にはどうすることもできなくて泣きじゃくる君はゲリラ豪雨
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なんとなくフォトジェニックになりたくて染めた髪がただ傷んでゆく
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君のその 微笑みだけで 頑張れる 言葉を超えて 僕に勇気を
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朝焼けに連なる山のシルエット日の出間近の空気はすが
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世界からわたしが1kg消えるたび褒められるのはどうしてだろう
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月影つきかげすがしきよる自転車じてんしゃりてものをしに
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踊ったり泣いて喚いて走ったり ひとつになんかならなくていいよ
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何かしても無 何もしなくても無 虚無ばかりあり雨の休日
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人に眼を見られないようにするための前髪だとかサングラスとか
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桃はまだ高くて買えない目の前の白くて丸い膝裏を見る
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息継ぎもせずに人波掻き分けておまえのとこに帰りたいだけ
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猫のない世界線でも平然とひとは暮らして猫だけがない
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香水は大人の気配妖しくてでもあなたには嫌われそうで
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生命の種を手にいれ水をいれすぐに孵化したステゴサウルス
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ひとのない東京駅が倒壊し百年が経ち瓦礫から花
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僕はハリネズミじゃないので フラミンゴ きみに打たれるわけにはいかない
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夜の街あなたの手だけ本物で後はすべてがおためごかしだ
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「傷ついた」? えぇそうでしょうね、でもこれは ちょっとこれは、あんまりじゃない?
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踊り場の ああ、見て下さい 彼女こそ 僕を殺した シンデレラです
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「あれは虎、あれは狼」世界から未知が消えゆく幼子おさなごが泣く
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破損したデータの中に散らばったあなたの色や声や思い出
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ギリシアの哲学者だけハブられた世界会議に俺はいない
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銀河から忘れ去られた銀でない星の行方は南アフリカ
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緩慢な弾の射線に躍り出てあたってみせた十九のころよ
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首筋をぬるりと伝う汗だけが私の生を示しています
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