灰色と化したこの世に見つけたい怠惰な情緒乱すなにかを
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貴方には おそれるものが たくさんある だからそんなに 泣きそうな目で
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「叫んでる、心はずっと」「そうですか……記録にないのでなかったことに」
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私の優しさを君の快楽のために使わないでよ……無理か
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肩こりのひどい者から天使へと還る 肩甲骨をはがして
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キャッシュレス災害時には役立たず小銭必要大金いらず
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同じ貌だけど今度は本革の財布に爪をたてた夕立
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耳の水ぬるりと抜けてまだ熱い君が好きだと気付いてしまった
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手の端にきらめく指輪 飾りでも証明でもなく防具としての
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ごとに命がちがう花に言う君の「綺麗」どの「綺麗」だろうか
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言われるまで気づかないからこそ人間には救いがあると思ったりする
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地獄なら 千回落ちても かまわない 救いたいんです、彼を、どうか
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「幸せを見せてほしい」と皆が言う 「誰にも見せない」貴方はそう言う
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美しい 君が綺麗なままなのは みんなが守って くれているから
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コロナ禍中 刑事ドラマの 見過ぎかな この頃ホシが すぐ判る 
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玄関に毎朝届く花束2束 ストーカーと殺人鬼から
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指をさすことができない兄弟の深爪に白いうさぎは棲めり
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あおぐろし 木の下闇このしたやみ重重おもおも臑毛すねげりたきぼくのアンクル
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カブトムシの羽の模様がきれいだ桜の樹液を吸ったからだ
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少しでも冷たいところを追い求め 板の間の上を脚は彷徨うさまよう
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こんなのは 恋なんかじゃない いいね、君 恋じゃないんだ、恋じゃないんだ
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朝なんか新しくないことくらい知っているこの気怠い背中
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「僕のことは 別にいいから」とか言うな 私は全然 よくなんかない
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身に纏う ものはおおよそ ファストだが 君はわたしを 選んでくれるか?
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帰り道 紫の夕陽 それだけで 生きてけることを 知っているひと
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僕の部屋 ただ僕だけが 帰る部屋 いつか僕すら 帰らない部屋
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僕がはかる 君の心と 僕の定規 歪んでいたのは どちらだったか
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強い風 グラスの中まで 吹き消して 楽しい時間だけ 置いていってね
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燃えさかる炎のなかより聴こえくる怨嗟の歌を口ずさみ行く
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君のこと 抱き締めたいけど 僕のこの 短い腕では、きっと足りない
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