美しくなくてもぼくは構わない君のくしゃみが春を告げるよ
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わたし誰?いいえあなたはあなただよその微睡まどろみから連れていくから
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あまのじゃくなもので流行りを追っている クラスメイトとよくすれ違う
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月曜日 午前八時に訪れる カロンの客の ひとりがわたし
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コンビニで ミルクティーを 買った後 必死に振ってる 君はなんだか・・・
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弱っても弱ってもだめ死ねもせず狂えもせずに日はまた伸びる
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ぬいぐるみ捨てるよりずっと簡単に  誰かの気持ち手放すLINE
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ふたりきりのときしかやさしくないひとをあいせばいいのかにくめばいいのか
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しなやかな指で突き落とされた先に広がっているあかるい地獄
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くもり空頭に広がる黒い海やっぱり自由が広がってると思う
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母が私を産んだ歳に私は念願の正社員採用
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神を信じろ!と仰るこのメール、神様に転送しておきます
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一昨日の大学芋のベタつきを思い出してはほろ苦い夜
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快感が背中駆けたらむつごとはきみがただいまと整うのを待つ
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インターバル一分間で整えてゴングで向かうお前を倒しに
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列車降り恋のはじまり夜明けまで  知り尽くせたら埋め尽くせたら (Before Sunrise)
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五七五七七に詰め込んでゆく愛と涙と夢と、足りない
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ぼくんちの蛇口は炭酸水が出る ただし気は抜けてるわけだけど
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祖母くれし羊毛一本穴ふさぐ若き父着し 僕が着たいし
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空だって落ち込む夜もあるだろう 吐き出してくれ、粉雪にして
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春風にゆうらり揺れる桃の枝子守りの如咲く花夢見
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ジャンパーに春の夜風を孕ませてペダルを回すムササビのきみ
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この冬も寒さに慣れてしまったよ  痛さ寂しさ怖さもついでに
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わがままという名前なら許される 好きとか海を見てみたいとか
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君が大人であることを知る言葉 知ってしまった 見たくなかった
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少し緩い祖父の形見の礼服を通り抜けていく十月の風
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絶対にただしいものしか愛さない、みたいな顔で生きる悪人
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階段を 登ったけれど シンデレラにはなれなくて 首を吊られる
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傷付けば 傷付いただけ 五線譜が 君だけの詩が 生まれる二月
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かなしみを 一切溶かして しまいたい 君のつむじを見て 思う夜
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