春来るらし招待状エンボスの桜にたまる離別3年
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かぶら汁 母が作ってくれた味 柔かくて甘くて口の中でとろけるようで       
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「人間の心はどこにありますか?」胸を押さえた君を愛そう
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「コーヒーは豆から挽くの」呪文だよ。 意識の高さ植え付けにくる。  
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走りゆく君の睫毛の燦然と光る様真似びて星が有る
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朝になり 思い出すこと 悩むこと 机の上の 爪のあとを見て
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唯一の我が希望こそニャアと鳴き丸く小さな牙を隠せし
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僕の気は 狂っているかも しれません 半端ないです この不安感
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感情が 抑えきれません ただ僕は 君に恋して いるだけなのに
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僕の身は 寒くないのに 震えています 寒くないのに 寒くないのに…
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君の星から届いてた「会いたい」を「寂しくない」と解読してた
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戯れて 友を泣かせし 女児ありき 水面に透かす 大鷭おおばんの脚
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記憶とは編集されて白昼夢 想い出はいつも美しくある
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不機嫌と残り少ないオーデコロン  母の足音冷めたみそ汁
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最後までそばにいてくれた影が回転ドアに巻き取られてゆく
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僕を見て「どちらさまで」と言う祖母の孫になるため今日もノックす
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いつの間に雪合戦になっていて僕は君だけ雪玉投げる
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耳澄ます、遠いサイレン揺れる枝  ケンカする猫眠れない夜
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ミサンガの千切れるときに音はなく恋のおわりにすこし似ている
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若草の 身を散らしたる 種子の風 地に染まる紺 曼珠沙華なり
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君の両手に余るほどキャラメルをあげるから、ねぇ、笑ってみせて
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いつの間に 剥いてしまったささくれと 痛むこころに ワセリンを塗り
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思う人と触れられぬ 詠んで交わして触れられぬとも、 側に居て側に居て 思い通えば君の匂いを 幸せなのに感じるくらい
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キャンバスは光そのものを描けない 旧約聖書も減色法
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ハンダこて、ドライバーなら十本ある。 独りで生きる、覚悟もあるの。
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お風呂場で割れた爪から溢れ出す ため息と愚痴、えっと、それから
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👅溶けるチョコレイトの名前は[猫の舌]ぷんちゃんならばムリ ヤスリ掛け
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春は光・音・温度の順で来ること理科で教えてほしかった
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君なんか大嫌いだと百八回ひゃくはっかい言ってみたけど去らないマーラ
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触れられぬ触れられぬとも、側に居て  まばたきの音が聞こえるくらい
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