何もかも嫌いな夜の想像の私は決まって黒のパーカー
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君はまた 痩せ細ったまま 死んでゆく 僕になんにも 言わないままで
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蚊やゴキは コロナに比べ かわいいさ 眼には見えるし ワクチン不要
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あの部屋で 静かに朽ちてた 君の自我 固まり損ねた ゼリーのようで
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庭にある 朝顔だけが 知っていた 言葉は武器で 文字は祈りだ
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ありがとうありがとうって喉の奥なきごとを挟んですりつぶす
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君のその 心の奥で 燃える炎 僕を燃やして 炭にしてくれ
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議題「人間は死んだら何処へゆく?」はい早かった青江さんどうぞ
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にんぎょ姫歩きし睦月の廊下かな
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ターコイズブルーが静かに そこに在る ただそこに在る、じっとそこに在る
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ぬばたまのゆふやみのふかくふかくからわたくしたちをむかへにくる靴
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天国がどんな場所だか知らないが極楽と決め安心してる
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「この電車は特急、希望に満ちた未来行きです」……嘘ばっかりだ
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ぱちぱちとメロンソーダの泡の奥キラリと光る君の薬指
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今までになくした傘の亡霊が当代の傘に成り代わり帰宅
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まぼろしを見るすべ探す兄弟が深夜三時にサイダ目に点す
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殿の俺の肩ふとさはられて ふりむけばいちめんの秋桜
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林檎食ふ弟の頭撫でながらまるい骨おもふ秋の夕暮れ
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彼もまたきつと秘密を抱へをり鉄の軋みを臓器にて聴く
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(金色でまんまるの何かついて来る、俺だけですか)(これは罰だよ)
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お下げ髪の根もとが丸く内側に跳ねて地球は丸いと思う
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猫背から姿勢を正しげんを追う津軽三味線を奏でる乙女
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この町を拡大鏡で眺めたらもっと優しい人になれそう
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この空も雲も気温も鈍いので夏色ペンキで塗り替えますね
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艶めいて深く紅さすりんご飴 きっと宇宙が秘められている
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カフェオレがどうにも温く甘いので涙を少し混ぜておきました
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タピオカの一粒にでもならないか?甘くない夜に行き詰まるなら
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今も尚 忘れず浮かぶ 初恋の 優し面影 小一の君
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AIが奪いに来ればこんなことしなくていいと言い聞かせてる
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ハンバーグカレーステーキナポリタン 全人類の栄養剤也
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