Utakata
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丸山 哲史
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海なんてまだ小さいと言うくらい言葉にできぬ感情がある
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おさなごを背負っていけば磁石ごと子は寝ていたり物言わぬ月
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真面目では疲れてしまうタンポポの綿毛になって空を飛びたい
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おひさまが全てのものを照らしてる失くしたものを探せるように
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散る花が空をめいめい切り取って溢れ出てくる思い出がある
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さくらばな夜風に散った花びらの柔き刃に胸突き抜かれ
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春風にビニールハウス輝いて遥か遠くの海辺のごとく
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盥から溢れでる水わすれても忘れきっても思い出の澱
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お日様が体に沁みる左手に右手添えれば春のぬくもり
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いつだって私はわたしの外にいて窓の小さな牢獄の中
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見てくれよ、見てくれよって咲き誇る池の堤のソメイヨシノが
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軽トラの荷台に鍬とスコップと余生を載せて父ちゃんは行く
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花びらは風に吹かれて土になる蛇口のように曲がった心
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飼い猫を抱いて里山眺めればみどりごだった我が子の重さ
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満開の桜もすでに散り始め老いが臓腑に染み込んでくる
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春の陽に光る瓦が眩しくて心の海も穏やかに凪ぐ
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朽ち落ちし窓を目に持つ廃屋に絡みし蔦は動脈のごと
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ザンバラとぶっきらぼうに枝は伸び空が刺されてとても痛そう
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冷たくて白く光った秒針よ刺されもしたし刺してもいたし
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数本の床に絡まるケーブルよいろいろあって今があるんだ
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南極の吹雪を思う「さみしい」が春の隙間にさくりと刺さる
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カーテンが風に煽られ空隠す見えるものだけ見ようとするな
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暗闇に迷路が一つ春の空遥か向こうもまた春の空
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濁流がともしびを消す野うさぎが胸の荒野を消え去っていく
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赤い口、赤い口って言いながらずっと走って星になりたい
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苦しみの錨を上げる分け入って焼きつくされて葦の海原
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家族とは悲しみの檻 洗面の排水口に絡みつく髪
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アボカドは果物ですか?沈黙が罪か罰かがまだ分からない
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正確な時計は捨てたズレながら生きていくのも悪くはないし
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春風が次から次に窓を開け隣の家の時計が響く
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