Utakata
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丸山 哲史
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火事だって夢を昨晩見たけれど起きたら僕は黒焦げだった
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明日ってちょっと都合が悪くって夜になったら脱皮をするの
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道具って大切だから生えている角はいつでも手入れをしてます
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家中のタンスの上を見てまわり小人がいないか確認してる
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説明をするのが少し面倒で雪が降ったで済ましてしまう
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悪意とは多分どこにもあるもので多分パンツもはいているのだ
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無いものを有るとは言えず有るものを無いとも言えず考えている
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歌いたい歌を歌えばいいのだろう上手い下手などどうだっていい
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一歩だけさがってみれば一歩だけさがった景色が見えるもんだな
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新宿の駅で迷子になっているそんな感じの熟年である
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雲間から光り射し込み音もせず鳶がゆっくり旋回をする
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手を握るそれも営み降る雪もいずれは融けて海へと帰る
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半分に開けられているドアがあり開けるか閉めるか考えている
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白球が何処へと飛んでいくのかは神様だって分かりはしない
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精魂を込めてあなたが縫い上げた真冬を一つ心にしまう
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結露した電車の中の窓ガラス氷りしほどに今朝は寒きか
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快速に乗り込んでくる人ら皆メガネ曇りて面白きかな
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駄歌を詠む一万二万と駄歌を詠むそれを続けるずっと続ける
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傘を差し顔を見せずに歩きゆく細き女性を美人と思う
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喫煙は肉を貪るようなものさもしくもあり哀れなるかな
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川の辺の岩に腰掛け川見ればカラカラカラと寒風が吹く
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見渡せば山は茶色く枯れ果ててタバコ一本吸い終わりたり
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それぞれの人がそれぞれそれぞれに思い思いにそれぞれにす
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椿の葉冬日に光りその脇にイヌツゲの葉まあるく添いたり
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とりあえず走ってみるよ孤独とか優しさだとか考えながら
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鮎釣りで虻に刺されたあの時はまだあの人が嫁さんだった
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友達の家に蒲団が干してある三十年も会ってないけど
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ドブ川の橋の上から背負ってたリュックサックの荷物を棄てる
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楽しみは家に帰ってエアコンを入れてぬくぬくテレビ見ること
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辞めないで続けることはしんどいが辞めてしまえばもっとしんどい
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