Utakata
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丸山 哲史
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ひとひとり失うことを忘れるということなんてできるだろうか
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秒針の音しかしないこの部屋で細きケーブル親指に巻く
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公園に幼子ははと二人いて児が喜べば母も笑えり
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葉が落ちて裸になった森の木々えだの隙間の数だけの空
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なるようになっていくのだ何事も手の甲に浮く静脈を見る
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こんなにも生きていくのが苦しくてつり革を持ち曇天を見る
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パソコンのマウスが二つ並んでるこんな夫婦になりたかったな
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空腹の大人のような顔をする裸になって痩せ衰えた森
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てのひらにそれを感じる雨の朝遠く重なる裸木に霧
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とめどなく川は流れる側溝の廃油の膜に美しき虹
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乳歯とはいずれなくなる永遠と独りつぶやく冬蜂が死ぬ
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さみしさを夫婦で分ける白煙の高く高くとたなびくを見る
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水鳥は静かにもがく池の土手さみしき藪に雉の鳴き声
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決断の色ってどんな色だろう赤く赤くと散り急ぐ木々
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転んでは起き上がるのを繰り返す木の葉の雨を静かに纏う
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信号が赤ばかりの日もあって言葉を含む風が冷たい
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朝起きて洗面台に水をため栓を引き抜き渦を見ている
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明暗でいうなら暗の運命で運命だけど紅葉がきれい
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出奔をどこからするかわからない既に私はさまよっている
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屋根瓦白く光りてこぬか雨気付けば今年の初雪となる
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どうしてか考えている五種類の錠剤をあけ口に放りて
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ゴミ箱に薬の殻を投げ入れて窓の外には初雪が降る
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木犀のまるく散り敷く隣には棗一本健やかにたつ
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稜線に産毛のように生えている木々の後ろに濁りたる空
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また雪が降っているのか山頂に雲厚くあり風寒ければ
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うら面が白紙の広告集めてはちぎって年賀の試し刷りする
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どうなっていくのかまるでわからないわからないから歌を詠んでる
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厳冬のダムが知りたい凍らずに水は流れているのだろうか
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結局は独りなのだと考えるこの病には独りで向き合う
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感情の持って行き場がないんだよ読みたくなければ読まないでくれ
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