気まぐれに うたを置いては また消えて 「忘れないで」の 気持ちは置いて
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それぞれに人生ありて語らずも幼馴じみと笑い合う夜
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立冬を待っていたのか初雪はバサバサとふりピッタリと止む
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立冬の木枯らしを行く友叫ぶ『養老山脈燃えてるみたい』
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待ち望む刃のような三日月は目論見はずれあゝ雲隠れ
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的中の予報と思う紛れなき雪の庭へと足跡のこす
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バースデーソングを歌ってくれるのは まだ愛が有ると思ってよいか
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クリスマスケーキはチョコのよていです 今年最後のイチゴなるかな>お誕生日ケーキ
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ときとして せなかほっこり あたたかい ばっくはぐかな しゅごてんしさん
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心臓は中身を使いおわったら穴をあけてから捨ててください
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ほんとうに大事にしたいお友達 片手に収まる分だけでいい
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チケットをモバイルスイカに紐付ける出発前夜の悪戦苦闘よ
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寒い明日言動友と共にして変わらないのに移りゆく日々
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群青の 夕刻出ゆうこくいずる 三日月は 田舎いなかたみに いやしの光
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街中にモーツァルトを響かせばメンクリ無しに人生けるやも
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きゅきゅらと くりやでおとする みてみれば ネズミほいほい せんかは二匹
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冬立つが 部屋の隅には 扇風機 居心地悪そに 頭をこうべ垂れる
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ひとりとは宇宙のはてに両の手を伸ばせは届くそのことなのだ
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目が覚める朝の部屋は冷たくて揺れるあなたの肩に触れたい
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辻󠄀角に座りてスカートはためかせ寒いと言いし少女ら四人
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何も無い人と伝えず伝われるそんな空気を望まずまといし
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何か書くそぶりを見せる奥様も火宅と消える寂しきひとかも
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我儘な 幸福に縋る わたしとは ここでお別れ だいすきでした
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女子高生 最後の季節 訪れて 蝶々結びで マフラーデビュー
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レストラン誕生者ケーキのろうそく吹き消すお祝いわれ憧れる
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銀の爪プラン変更説明す誇りと矜持きょうじこのに在りて
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朝のおかずはなんでしょか たらこになっとは出るでしょか いつもとかわらぬふりかけじゃ 朝の電車もままならず
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どどいつって何?やってみるのも面白い七七五?
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冬空に そびえる夏の 大三角 「季節外れね」「でも綺麗だね」
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ロースとかハラミではなく上ミノを 取り合っていたあの夜のふたり
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