目に前に 止まりしトンボに 手を伸ばす 鈍き動きに ふと手を止める
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来週は帰ってくるかと親は訊く帰るよちょっと甘えたいから
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涼しくて週間予報を見てみれば木曜日なんか三十六度だ
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欲望が壊れてしまったからだろうあなたのことが分かる気がする
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幼き日打ち上げ花火の インパクト、この胸消えず今夜 見に行く。
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生きたよね 長い人生 生きました 年寄りたちの 共通言語
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どうか君 幸せであれ 落ち葉拾い はしゃぐかわいい 君のまんまで
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幼子や 青少年を 見るにつけ われら同志よ いずれ年寄り
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年寄りの 仲間に入りて ふと思う 年寄りだとは 思ってません
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年寄りが デイサービスに 集うとき 歌声喫茶 安保反対
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年寄りを 敬うなんて 今の世に あまり聞かない 流行っていない
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おじいちゃん おばあちゃんたち ありがとう 育ててくれて ご苦労ちゃん
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右足の 骨がなんだか 軋むとき 不安になるぜ 敬老の日に
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年寄りに ボケと毒づく 中学生 敬い慕う 祭日はなし
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毒を吐き 叫びを上げる その時は 正直であれ 短歌が似合う
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短歌には 心の怒り 悲しみを 刻々記す 手触りがあり
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ご相伴 母に供えしこの緑茶 (あたしご飯と一緒に飲むわ)
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ご相伴 父に供えしこの香り やはり我が家はゴールドブレンド
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秋雨に苔の緑の色映えて 樹木も音なく虫の音の道
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どうしたら 浄土へ着くか 今年あと 三月みつきと半分 ストーブける
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夕闇に 西の空には 稲妻が 電光放ち 闇間を照らす
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ばあばあは杖つき坂を上り来る杖の音哀し旅立ちの日に
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敬老の日 吾子らが集まり 賑やかに 夕食ゆうげに囲む 円盤餃子
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夜半過ぎ 雷鳴轟き 稲妻が 闇間に光る 秋の夜空に
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夜をとほし膝が痛みて眠れざれば取り戻さむと昼寝するなり
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苦労した君の笑顔は何倍も他のひとより輝いている
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突然に降られ駆け入る雨宿り ほのかに過ぎるやさしい時間
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宇宙ではちりに過ぎない私でもベテルギウスを心配してる
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来世では 水族館の イルカになると 言った君 意外と退屈 なんじゃないかな 
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振り返る 僕のLINEの トーク画面 やば!えぐ!ばかり 語彙力はどこへ
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