飽食の日本憂える記事を読み食べ放題をせめてビュッフェに
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新聞を二紙も読んだら腹は減りホテルロビーの夜は明けゆく
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効用をじつくりと読む一人風呂草津よいとこ薬の温泉いでゆ
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前に来たときはひとりひとり入れ一緒に浸かり湯の花は咲き
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石畳に付く足跡が向かうは黄泉路ではなく春の嵐へ
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風花とダッフルコートのおじさんが迎えてくれた奮発の宿
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半ドンの仕事早めに切り上げて家族積み込み一路湯の郷
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冬のみちいい感じの枝みつけたり石ひろったり葉っぱふんだり
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丸まりて炬燵の上に猫二匹小さき方から先に降りたり
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何人で食べようがケーキはケーキ「ロウソク五本付けてください」
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精一杯生きた結果がこれなのか「四番のケーキひとつください」
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AIが人のかいなにあるうちに 手綱捌たづなさばきを吾も学ばん
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知己のない街で安否の確認を頼みし遠く輝ける日々
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AIの正体なんざ知らねども 追いすがらねばマズいとわかる
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ブラウザで画像生成AIのフローを見ては隔世の感
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神秘的君と星空見て語るどんな話も煌めきたりて
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逃げ腰の相撲は取るなと監督に言われて泣いたあの寒稽古
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海になりたい、海になれれば泣きそうな君を抱きとめられる気がして
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佇んで山茶花の咲く公園のベンチで二人話した記憶
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タヌ猫の ちいさいおべっど じつはねぇ ちま猫ちゃんの おさがりなんだよ(年下だけど)
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アドベント ろうそくひとつ灯りたる パイプオルガンの調べに癒され
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君がいない 冬から逃げた。 その先に 夏は来ないと 分かってるのに
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青天でイチョウの葉が際立った公園通り散歩の穴場
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ネタの無い日でも短歌を詠めるよう田舎風景まとめて撮った
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だるまさんどてところべば子が笑うかがくいさんの優しい魔法
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冗談といいつつもふと真顔にてねだってみせる様々のこと
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行きしなに脱いだコートのうらめしき師走初日の夕べに惑う
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のびるねこ脱いだコートに未読の本つぎの地層がいよいよソファか
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浅草を 二人で巡る 自由時間 スマホは 東京湾に 沈めて
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運命の 修学旅行の 班決めは 俺とお前と お前の彼女
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