たかが木の棒でも勇者の相棒で 最期に斬るのは凶兆の汚泥
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匂いとは記憶と強く結びつき傷や涙も包むゆりかご
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厳冬の朝に産まれた長男のうまいが冷えるアイスのケーキ
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通りすがり そして生涯の友人へ 君との出会いが世界を変える
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固い意志 いずれ割られる運命に 転ばぬ先の賢者の杖を
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零れ堕つ 優しい記憶 復讐鬼 月夜ばかりでないと 思い知れ
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冒険で負う傷の多さ勇敢さ 受け継がれるな 勇者になるな
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エリクサー もう帰らない君になら使いたいのに 鞄の底へ
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勇退のドクターイエロー響く音夕陽を背中にカメラ構える
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綱打ち済んで奉納土俵入り披露する英明はいつまたボツだ
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染み付いた所作に気が付くそのたびに忘れたはずのあなたが笑う
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「千五百六十キロ」と万歩計 東京〜那覇間二年かけ歩く
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誰ひとりピアノを弾ける人おらず苦肉の策のソーラン節か
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優しさと 暖かさ持ち 接すれば 人と人とに 愛が芽生える
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コーヒーの湯気の溶けゆくガラス戸に雪が斜めにいのちねむらせ
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人間も マニュアルどおり 動く時 機械のように 心を捨てる
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マフラーとニット帽とで通勤路 早駆けゆけば今朝ちと汗ばみ
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厳格な 人とさよなら もう来るな 願ってみても 彼らの牙城
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おしゃべりを 禁止されたら 友達も いないと同じ アウシュビッツやん
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日本人 規律が好きで 仕方なく 前に倣えと 訓練される
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コロナとか 戦争とかで 統制が 美徳とされる 暗黒時代
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心ない 大人がやたら 張り切って 子供が疲弊 監獄のよう
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自由とは 抑圧された 状況で 小さな子でも 欲しがる宝
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理想とは かけ離れても 諦めず 忍耐すれば いいことあるさ
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アレルギー 治すためには ただ一つ ハウスダストの 家を引っ越せ
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強さ増す 向かい風さえ 耐えるれば 君に会わむも 難きは無かれ
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編みかけのセーターどきつふと気づく静寂の中雪積もりをり
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過ぎし日の想ひ出辿ればいつの日も季節も色も吾の中に在り
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北国の 春が近づく白梅の つぼみ開きて匂ひ香りけり 
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ふたとせ経し旧機のOS替へてやり「まだいけるぞ」と喜寿なる我は
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