滲み散る水性絵の具の息遣い黒のパレット白夜に流す
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挨拶が大事だという先生を無視していたのは好きだったから
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ふてほどはどう言う意味か尋ねるとふてぶてしいにも程があるだと
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聞いたことない語がいつも流行語ニュース毎日見聞きしてるが
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みずみずしゼリーを選ぶ赤と青好きだった娘も今は大人に
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拒めない、あなたの「好き」を拒めない 拒みたくない 愛しても、いい?/海に眠る Y
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新しい連絡先のお知らせに感謝しすぐに着拒の設定
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俺だけはあなたに傘を差し出そう 白馬の王子が見落とすならば/海に眠る K
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しばれると味噌汁すすめる演歌歌手思い出すのは霜焼けの時
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ガラス拭き破れた網戸に今日気付く今年の夏は出番がなかった
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デミグラス匂いが帰路で漂えば、ハンバーグの口に食べられるおでん
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立ち呑み屋愚痴を呟き振り返る硝子窓には凍雨のしずく
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怨み傷 未練の跡は消えなくて 手首に残る 君へのおもい
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僕の日だ ラーメン食べて昼寝して 洗濯機を2回まわす
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下腹したばらて あっためまくると 違いすぎ 痛みがマシだ 腹巻き開眼
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持て余す理解のできぬ小説に夜ごと寝落ちのその一ページ
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一日中きのうの夢をだきしめて涙の海はあした干上がる
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旅の空あられ激しく降りしきる三味線の音が聴こえし津軽
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まっすぐに見つめる君は純粋で やましい僕は 目が痛くなる
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ダメだとはわかっていてもやってしまう 欲望に負け ダメ人間に
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布団干し日和だったと晴れ空を虚しく仰ぐ午後二時の帰路 /17
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焼肉で慰労しようと言う閻魔に鬼ども不満「タンは飽きた」と
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言い訳と他責ばかりが上手くなり 目と目を合わせた会話が苦手で
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スーパーの試食をつまみ食いするほどの気軽さで君に会う
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一年の誰も知らない戦いが誰にも知られず終わって、ふう。
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生きてるかライン問いかけ返事なし既読だけ付きホッとする夜
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待つ間 止まったみたいに 進まない 古びた時計 青い秒針
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西からの小包カールおじさんの再来北の冬のあたたか
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晩秋に君がどこかへ行ったから 月も私もあのときのまま
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にゃーにゃーと話しかけてる我を見て「日本語でおk」と言いたげな猫
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