定石と韻を踏むだけ書き連ね 異国へ届けボトルレターよ /「ふみ」
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買ってから一度も着ていな服あり 黒いスーツのタイトスカート
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この板はいろんな人の幸せを垂れ流してくる なんたる不幸
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春を待つクローゼットの蕾たち 布団の中の暁に覚ゆ
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土曜日が終わって行くね。浜省を二人で聴いた白昼夢のこと
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空も地も白に染まった 悲しみを見つけられずに鳥が彷徨う
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足が重いヤバい病気の前兆か 待合室って不安しかない
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ミニトマト食べども大丈夫にならない 手癖で続けているおまじない
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たとへば君 など知らずとも 生きていく ただそれは今過ぐだけの人生
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見知らぬ地 力試し大学入試と いきましょう 肌寒いけど 震える息
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五七五七七だけの音節で 紡がれたのは愛のかたまり
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ひらひらとなにか舞ってる見上げれば白く小さなあゝこれは雪
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関東の平野部に住む者共は雪の予報で右往左往よ/自戒
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窓の外霙も雪も降ってなく杞憂で済めばそれで良きかな
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髪の毛に神経は無い 確認を取った指先からゴーサイン
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自転車になったつもりで車道行く深夜の道路歩道に寄って
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腰痛め治ったふりでまだ少し ついて来るのか膝とおまえで
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本を食べ振る舞い齧り嗜好する血肉と生きる正しい捕食
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クレンジングの香りが良すぎるから広げて顔を全て消してる
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雑に塗りはみ出た分が剥がれ落ち明日はキレイ私のネイル
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左利きの利点 手帳を未来へ突き進み過去を抑えられる
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ぺたんこの靴が見上げる踏んづけた私のことを うらみを知って
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右利きってバイキングのスープよそう時だっちゅーのできないよね
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二十歳からもう五十年レコードにならない作詞家はしつこくて
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ちゅちゃっ、と誰も見てない瞬間の口づけばかり上手になった
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何もかもぜんぶ閉じたらきっと死ぬだから目だけは開けたままでいる
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熱燗にけぶる眼鏡に紙タバコ迫る緋色が滲む雨音
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人混みが嫌いだろうと耳澄ませ ひとつの声にひとりの命
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おきにいりの 真冬パジャマで うでまくら腕枕 チビ猫しあわせ ねんねするです
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今日一日 文部唱歌を読みふける 施策の歌も美歌も秀歌も
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