透き通る ような季節の 道すがら 路傍賑わす 野菊の盛り
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29℃ 神様いずこ 秋いずこ 季節の行方 たずねる日々よ
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白い息吐いて目を見開く落丁本のように変わる季節
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そんな金あるなら払え借金を 夜逃げするのにスペースシャトル
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アラビアは熱帯だから水凍らんもし凍ったら「あらあ!」と驚く
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現実の 世界を離れ 指先と 画面に頼る 虚ろな娯楽
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ネットなど なくなればいい スマホなど ぶっ壊したれ すっきりするぜ
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今日も雨 梅雨がなかった その分を 取り返すのか 秋の前線
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闇の中毛布にくるまり氷雨の 秋桜ぶじや生命あらなむ
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むなしさを気圧のせいにしてみても 心ふたがりいかんともなし
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本棚に『キン肉マン』を巻ごとに並べて時に空を見上げる/9/22
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無情にも破れたハートを癒したい そばにいさせてきみ眠るまで
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せつかちな性格みごと災ひし一人の夜は涙が漏れる/9/22
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四年間毎日やつた子のための夜の工作絶やす悔しさ/9/22
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幼少の記憶が過る入院のデジャブではない入院準備/9/22
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家人なくスマホの音を最大に入院部屋はきつとイヤホン/9/22
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連作を穂村弘に送ろうか緑内障の穂村弘に/9/22
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新しい安全靴を買い求め古い自分の殻は捨て去り/9/22
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電動の鉛筆削り恐竜の鉛筆削り兄弟に買ふ/9/22
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激情を三十一文字に置き換えて叫び出したい声を鎮める/9/22
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「ツイてない。どうせ神など居るものか!」「そうさ居ないよ、神無月だもの」
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落葉らくようにイガ栗の罠仕組まれて 触れる指先 赤き血の球
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吹く風に思ふがままにススキ揺れ 白し花穂かすいに秋の陽の照る
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秋風が倉庫の屋根をたたく夕 子らはとうとう長袖パジャマ
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サンプルのゼリーを与へし老女笑み「よくなりました」と。聞くもうれしや
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朝焼けに 赤く染まった 紅葉もみじの葉 朝露に濡れ 彩り放つ
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リビングで懐かしい曲君歌う どこで覚えた竹内まりや
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メロディに乗れば饒舌になることぐらいしかまだ君を知らない
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豆球を見つめて跨ぐ何曜日 自己表現に勤しんだ罪
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先生の前でもモゾモゾ落ち着きない 口数少なし三者面談
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