王将の持ち帰り餃子たべたので 今夜は白湯をホットミルクに
14
ファミレスでちょっと奮発大人気メニューを避ける昨日フラれて
13
掃除中 ついつい浮かぶ あのセリフ 『今年の汚れ 今年のうちに』
11
不甲斐なさかみしめ苦い汁を飲み 耐えて耐えてさ このありさまだ
7
語るだけ 口先だけの あなたには  口先だけの 人がお似合い
9
あなたへの最初で最後の恋文にあなたの名はない地獄で待つね
7
この夜で最後にしようと言うのなら心臓の開き方を教えて
9
「母危篤」醒めた頭で考える、バイトのシフトどうだったかな
22
「誠実で努力家 時間を守る男性です」それよりもその変な眉毛のほうが雄弁
8
戒名に「鳥」の一字を入れたなら 地獄の空も飛べる気がする
12
あなたはわたしの誇りと母の声 やさしい呪いに抱きしめられ
16
モノやコト 減らしていけば 本当に 大切なモノ 見えてくるはず
21
遅き朝 息白くして 東雲しののめに映ゆる山の端 眺むはすがし /冬はつとめて
21
カンヌ市に観光に来た宮司さんキョロキョロしてるかしこ見かしこ見
10
群と郡が並んでひつじがこおりにいてもあまり寒くなさそう
8
街灯が 仄かに灯る 寒夜時 顕に出でる 幽玄の相
10
汗なんて かくはず無いのに 顔ぬぐう 気付かれぬ様 涙を隠す
34
陽光の 照らした先を 眺めると たわむれる鳥 見つめ返す声
10
かじかむ手 法要間近の 墓掃除 涙色の空 かす戒名かいみょう
26
歩きだす 自分の居場所 探したら 一息いれつつ そこからスタート
11
罵られロウソク垂らされ鞭打たれ蹴飛ばされたら「うれしいです」と言う(N短お題)
7
ご飯くれお金もくれて肩揉まれ尊敬されたら「ありがとう」と言う(N短お題)
5
どこの会社にいたって、いつだって私は透明人間なのだ
8
水鳥は湖面に降り立ち長旅の疲れ癒すか気嵐けあらし早朝あさ
23
欲望に駆動されてく資本主義ねくたれたままいや果ての日に
6
エヴィアンのボトル飲み干す季節過ぎホットコーヒー二人のカップ
10
かつて俺 家のコンロでくさや焼き 女房から離縁されかけ
14
かつて俺 独身寮でくさや焼き 先輩たちからボコボコにされ
9
目には紅葉 山に百舌鳴き初鮟鱇 パロ句を詠んで目刺しで我慢
9
貰うよりむしろサンタになりたいと 子連れを見てる独り身の冬
15