目の前にいるのは「誰かの子」であり「誰かの親」なの忘れないで
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国芳は武者絵・美人画・猫騒ぎ いにしえの江戸さぞをかしけり
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できない日 明日を落とす曲を聴きリップクリームを塗ることはできた
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謝ってほしい空気が見えてたよ透け透けすぎてほんと寒いよ
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嫌だけど噛みついたのはそっちだし消えない毒を味わってほら
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チョコレート チキンラーメン うまい棒 2月はたなを買い占めたくなる
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ちらほらと舞う雪の子のその腹は誰も言えない黒い核あり
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この人と同じ墓で眠る日が叶うバラに祝福された日
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ほら、みっけ いつも見つけて くれるきみ これから先も 離さずいてね
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寂しさは喧騒の中わたくしは由緒正しき暮らしの只中
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はみがき粉を乗せる手つきにも春が来る 床はまだ冷たいままだね
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屋根の雪ドドーンと落ちる真昼間は昼寝の夢をみごとに砕き
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眠るよに 息を引き取る 家族らが 見守る父の 理想の最期
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さっきまで晴れていたのに外出ると途端に吹雪く午後一時過ぎ
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昼過ぎにスノードームを見ているかのような景色窓から見える
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子供らを 未熟な者と 見くびれば ホントのことは 話してくれぬ
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子供らは ひどい大人を 見抜いてる 名前もしかと 覚えちゃいない
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凄まじい プライド高き 女たち 正義装う 鋭利な刃
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ナルでなく陽気でもないこの私自撮りを頼む何たることを
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純ならば死んでるような生でもいいわ忍辱だけが戦闘なのね
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隆盛を誇るデバイスを追い求めて路傍の花こそ勝る故由
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炒めども高値をつけた緑葉にマヨネーズでもつけてやろうか
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野ざらしにされた恵方を向く寿司はシールとともに誰が為もなく
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生まれたとき満面の笑みで喜んで祝福くれた若き二人
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あと一〇〇回名前を呼んだらさようなら せいぜい口を押さえていなよ
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日産はホンダと破談するらしい相手もおらず破談なき吾
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死にたくて買ったと言わず雪吊りに縄を差し出す まだ生きられる
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床暖でぬくめた部屋着と熱々の豚汁が待つ零下の帰宅
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昨日まで行き場のなかった両の手で冬を君ごとすくい取るはず
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無理難題ふっかけ ひっこめその代償 要求するのがトランプ話法
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