我の名に覚めて「だいじ」とくりかえす わかっていたのにごめんね父さん
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公園で遊ぶときとは違う顔君だけのパパ園の二時間
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心の中 全てを共有 しなくても 一緒にいられる 他人はそうらしい
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父遺す思春期のわれあての手紙われを想う親ごころ感ず
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秋なのに花粉症とはこれいかに したたりやまぬ鼻のした水
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わたしたち銃弾の雨から身を隠すみたく必死に生きてきたよね
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考えてみれば存在しないものとの戦いに終始した日々
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いいねって十回押したい歌あれど一回きりで悔しいかぎり  
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彩雲や 忙しき朝の 秋の空 歩みも止まる  良き兆しかな
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《春と修羅》──文字の漂ふ、花冷えに。文字の漂ふ、《春と修羅》とぞ
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待っている だけでは何も 変わらない 新たな扉 開くのは君
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ゆっくりと自転車をこぐお日さまの光がやけに目に痛いよる
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診察の順番スマホで秋からとめげるなでないと2時間半待ち
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爽やかな空気と空に包まれてルンルン歩くコンビニ散歩
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朝露が 里芋畑を 黒く染め 葉の上遊ぶ 可愛い水玉
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移りゆく 世界の景色 目もくれず 僕と君だけ 金平糖
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レオニャルド・フミンチという猫と夜喋り倒して寝落ちしたい
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夜零時 商店街のシャッターが寝顔に見えて羨ましくて
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カーテンを開ければ朝日まぶしくて 希望しかない錯覚に入る
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ほとけには いってわるいが いまごくらく かいごもおわり きしべは見ずに
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ビール通気取ってるのに知らないの?「とりあえず」って銘柄なのよ
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愛してる 腕の中で 嗚咽する 心と鎖を 渡されて
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ゴディバの猫 めっちゃかわいい黒猫よ お値段のほうは可愛くないの
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しあわせはまだ遠き場所に居るけれど 君の進む道 きっと待ってる
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いざ行かん 目指すは瀬戸内伊豫の国 息子に食わすおかずを担いで
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とりどりに 暮らし広がる 神無月 応援歌のごと 秋の虫鳴く
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嘘つきが嘘の顔して嘘を言う 嘘の取材と嘘の報道
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完全に話の腰を折られたわ 俺より凄い奴がいたとは
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昇り初めし陽はどことなく頼りなく 秋晴れ予報を漠と危ぶむ
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秋風に枯れ葉まるまりカラコロと杖ののもと鳴きてころがる
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