肩甲骨 無くてよかった 私には 翼も抱きしめたい人もない
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降る雪がぜんぶメルティーキッスならいいのにアイツも君も死ぬから
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隣国の戒厳令に在りし帝国におもひはす令和六年
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信号のLEDは主役にはなれない ましてスイミーなどには
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夏越した シクラメンの 株元で 冬に向いて 伸び立つ花芽
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空見上げ広がる枝と少しの葉それから柿柿柿柿柿
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0きみと1わたしとの距離感を時間と速さで求めてみてる
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こしたんたん虎視眈々 たんたんたんと チビ猫は せんめんじょのどあドア あくのをねらう
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頭ズキン 明け方無視して寝たからか 起きてロキソニン手放せずに居る
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太陽も早寝遅起き冬の朝一番乗りと花掲ぐ石蕗つわ
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ザウ』は「去る」すたこらさっさ「逃げ帰る」「ドロン」言いつつちょい走ってる /広東語
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奥さまの黒い自転車在りしとき無きとき他人ひとのリズム推しはかり
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瀬をはやみ 今ではひとり カラオケに。 貴方が居なきゃ 意味がないのに
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荒涼と日夜を過ごす独り身に迫る師走にもう慣れ果てて
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わき見せば千里浜の海浪荒れて 舟覆へりなばいのちあるまじ
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海の夢そう当て字してみゆちゃんと呼ぶ少女のことを思惟しており
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首寒しネクタイ締めて出張す おっさん紳士に早変わりかな
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妻を待つベレーの男性顔しかめ小さきスマホに難渋しおり
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元カレに 許されたぶん 増える傷 あんたらなんかにわかってたまるか
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いつもとは 違う道行く 紅葉の 公園見つけ 小さな旅かな
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着倒れというほど服は持ってない 着倒した黒のキャミワンピあらう>京じゃないけど。ここは食い倒れの街(笑)
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やはらかな日差しなれども 風吹きて 洗濯物が揺れに揺れたり
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冬ざれの 棚田にひとつ 背中あり 人世ひとよなど知るかと 晴れ渡る空
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週末は寒波や遅れて師走かな朝窓結露のつかぬ暖かさ
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こだわりと思い切りとの尾根に立つ 今日の牛丼豚汁とする
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久々に スカート揺らし 歩くとき 歳をとっても 女を自認
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亡きがらに蛆わきいでば鳥どちよせせとついばみ歌え世界を/遺言
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死する前覚えたい事やりきれず無縁仏が無知で焼かれる
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朝ごはん 米炊き忘れ 気分変え 歩いてパン屋 定休日なり
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オットット 洗剤入れずに洗濯を 回しそになり 焦って一時停止とめる
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