午後三時突然部屋が暗くなる気付けば外は雷雨降り出し
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学校に行きたくないが除湿機に 澱む週末 月曜がくる
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これは何?なんの匂い?と立ち止まる  ゆっくり嗅ぎなここで待ってる
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望月ととても呼べない月だけど この月がいいこの今がいい
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友曰く「これ以上ない!って時を表す文字」を名に冠す我
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女には等しく愛を注いだが生まれた君は例外のよう
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怖そうな 映画にさそう そうしたら 開始早々かいしそうそう 少しいやそう
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みんなで呑んで帰宅電車遅延で混んでる、どうしよう、でもすわれたよ
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夏の日のあの教室で目が合った 世界中の時間が止まった
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「俺」も「僕」もふた文字もじだけど僕は僕だな短歌だろうとそうでなくても
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ウォシュレット水温上げて冬支度 水勢下げてシルバー支度
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いつかの日あなたがそうでいたように波音続く夢で見た海
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干上がった水田みずたを燻す野焼きの香、目に染む煙よ秋たけなわ/時期が来たので詠い直し
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明日こそ今日より少し楽になれ 日にち薬を願って目を閉じ
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ぴちぴちとはねる油の前のわれ矢を受けたまま死んでいる僧
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公園を闊歩す高齢ウォーカーの真っ赤なシューズに意気込みを見る
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夏のクールバブ 森のバブにぞ切り替えて 早速 温活はじめる ねこ母😸
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くらいおそと チビ猫 せつなくみつめてる よるが来ちゃった おひさま こいし恋し
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秋の亡骸を踏み締めながら肺に満たしてゆくつめたい空気
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帰り時 電車を待つ ひとときは 疲れとるのに 何故か寂しい
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休み明け 油断してたら 忙しく フル回転で 仕事片付け
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暗誦せしひと末路のうた歌詞作りて響く旋律つづく
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待つ20時 換気扇と蛍光灯 独り沁みるはハイボール
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高き壁もたれて揺るる秋の枯草想い出しともなきいやし
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脈々と波打つ色気の奥底に穴があっても入りたくない
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杉本さん 美味しい柿の 作り手と 名前を聞いて 甘さよみがえる
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恥ずかしい記憶ばかりを焼き増してくれる壊れた写真機のよう
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つやつやのネイルのひかりを失くした人差し指もむりして隠す
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清浄機除湿タンクの満タンの頻度の変化で秋を感じる
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妻 買いし フリーサイズが 我に合う 家着いえぎ羽織はおる 彼女の遺品かたみ
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