二十年経しプリンターを作動させ「まだ使える」と老い我の執念
11
冬眠を終えたわたしの二の腕が夏を待ちわびアップをはじめる
7
今日こそは打ってやるんだホームラン結果馴染みのピッチャーゴロで
14
いつもとは逆方向の電車乗り そのまま消えた知人がいました
16
Utakataにいつもの人の見あたらずつつがなきやの曇りの一日ひとひ
24
待ってたぜ!お日様マークこの雪を駆逐してくれて蹴散らしてくれ
15
朝六時明るいけれど街灯がまだ点いている雪降らぬ空
16
百日の仕事を遂げた顔をして煙草くゆらす君のあかつき
12
つつつぃーと水面を広げカモの行く彼方の雪山目指すが如く
39
痛むのは 誰かに好きって言われたら癒えちゃうような浅い傷なの
17
九位です聞いちゃないのに占いの結果など言う朝の携帯電話けいたい
13
沈丁花 甘きかほりに誘われて 匂ひに酔ひて春待ちてをり 
24
書くことをついためらってしまうよな躊躇ためらうという書かない漢字
17
明日からは寒さ緩むと予報見て 温まらぬは我が懐よ
13
ざっくりとベリーショートにしたいけど『やだ』と怒った娘の尊厳
21
腰丈こしたけの髪を背中で切ったけど誰も気付いてくれないものね
21
祝日の 次の日なんか 月曜日 みたいな気持ち に毎回なる
8
満月は出口らしいよ この星を旅立っていくたましいたちの
12
連休の出勤が終わり明日からは通常業務 結局仕事
15
フリクションの音で高鳴る年度末知らないことに飛び込む春に
23
充電が尽きた無線のマウスほど役に立たない物は無いだろ
8
ごみ捨てを君がする前名前なき家事をしている私を知ってる?
28
彼岸花アイコンの君まだ好きで笑うことしかできない夜ね
11
口中に冬を呼び込むグラタンに春も呼び込む菜の花のあお
35
高いからあんまり行かぬヨーカドー閉まると聞けば少し寂しい
14
標本のような結晶君の頬ふはりとながれ春の雪落つ
22
思い出す時間が徐々に減っていく それでも貴方きみを想い続ける
23
差しましょう さっさと目薬 さしすせそ さわやかだから 差してよかった~
8
空域を違反した君は東京へ行き私は何にも飛べなかったな
5
メモに泣き言を書いて誰にも責められぬサポートされぬ本当の自由で届かぬものを送信して
3