君の名は?Googleレンズで問いかける姪に春告ぐフヨウカタバミ
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病院の売店の横タリーズで診察帰りの甘いコーヒー
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死にたくて どうしようもない夜にも きっと どこかで子猫が うまれてる
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推測がやめられなくて目の前のきみの笑顔が過去になる、すぐ
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間違いは黒く塗り潰しちゃいましょ過去もわたしも未来もきみも
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人間が記号に見える世の中でそれでもきみが必要だ、愛
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ケロケロと青田の中でカエル鳴く、明日は雨かとじっと空見る
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来月の「大人の科学」の付録には言葉広げた活版がつく
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久方の息子の姿その声に目元のほくろあゝわが子なり
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気温差か宿酔なのか分からねど、関係ないや! いざもう一杯
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白黒がもう分からない碁盤から遠ざかりたい岡目八目
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おまえがさ どんなにあいつ欲っしても 見てはくれない チョコを食べよう
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「うるさい」と 毎日叫ぶ独り言 ヴェノムが好きな 裏切り女
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この夜に楽しきことを残しつつ 我は眠らんおやすみみんな
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飛び出したイタチの命救われて シートの下に身投げのケーキ
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ネーブルの薄皮剥がし口運ぶ ツバメのヒナに餌をやるよに
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わたしたちずうっと友達でいようね!その一言の たしかな軽さ
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今ならば気持ちが分かる 夜 母のこぼれる愚痴は昼の苦労と
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夢の中で手を繋いだよ 私には見慣れた富士を喜ぶ君と
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恋心忍ばすための隠れ蓑 推しています心の底から
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何歳なんさいに なってもずっと 親は親 子供は子供 アイも変わらず
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亀じゃない 何も持たない者だから 俺のペースで ここまで来たんだ
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同世代 君もまだまだ足掻くよね スターの努力 小石も続く
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久々に一人でビール飲んでみた独りに慣れて苦みも弱い
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時を越え 同じコートに立つオヤジ タメの県チャンプレジェンド 顔がにやける
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好きだから 枕詞に言っとけばなんでも許されるような気がする
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窓際でふっくら眠るねこを幸福として数える通勤路
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「好き」というその二文字が言えなくて レモンサワーと孤独を呑んだ
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生涯で私とだけキスをするストローがあなただったら良いのに
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今ならわかるよ 草花いじりながらひとりごと 三十年前の母に話しかけている
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