帰り道「気をつけて」って君の声 言葉はすぐに風にとばされ
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冬だけの 期間限定 てる時 私の右手 猫の寝具しんぐ
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ねこを抱え ベッドに運ぶひとときよ 大事なふれあい 体温いとしい
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真っ黒に消えたテレビに映るのはスマホと我のノンフィクション
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めちゃくちゃなブラインドタッチできみは並行世界へのツイートを
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寂しいねみんなみーんなひとりだね犬もそうかい?当たり前かい
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「結婚するの」「俺とか」「違うわっ」精いっぱいのふたりのコント
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父親の薄くなりたる頭髪に木枯らし吹けり新月の夜
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公募って 知らないだけで 数あるね どれがベストか 見定めねば
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冷たい夜に 独りで歩く 不孝道 あの人いまごろ 捜してるかな
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インターネットの関係なんて指先でスッと撫でれば消えてく 気楽。
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天国で待っててくれよ まあ俺は地獄へ行くかもしれないけれど
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小児科の予約受付お手のもの常連顔してカード診察券差し出す
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十年来集いて燥ぐ酒徒なれどウーロンハイが心地よき歳
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まだ雪は降らないけれどクリスマスプレゼント何にしようか君へ
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おみくじの一喜一憂その場だけ あとあとまでは拘りもせず
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垣はれ塀はえたる屋敷跡の涸れ井の底に積もる柿の葉
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頭撫で ねこの手クリームパンを撫で いまねむたいよとシッポがお返事
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けっこうなハチミツ入れるミントティー 実はブレンドが口に合わずに
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宝塚歌劇団には華の影幕の裏側潜む過激団
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この恋が愛になるまで 冷えぬよう 注げる 魔法瓶があれば
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馬鹿だねえ もうすぐ私、死ぬんだよ? 泣いちゃうじゃんか 本当に馬鹿・・・!
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テスト後に 飲むコーラがめちゃ美味い。苦しむ月曜 眺めては
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「ほろよい」を飲んでる君がほろ酔いで頬桜色宵はふけゆく
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死に至るおそれがあるのに今日もまた恋におちてる君はばかだね
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雨上がり 空のキャンバス虹描く 恋を迎える余白残して   
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他人ひとは見るクレーンゲーム外すとこ だから私は去るまでやらず
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若かった 僕らの遠い 青春よ ノートの隅の 君の落書き
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凍てついた 赤い手指と 後ろから 肩の小さく すくむあなたを
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二男きみ好きなミートソースを作ったが もう二男きみいないからマッシュルームマッシュは入れない
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