ぐずぐずと寒さのことなど並べ立てベジタリアンと見紛う夕餉
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行く秋の陽ざし静かな白壁にまったく静止の裸木はだかぎの影 
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会食を 終えて再び 仕事場へ 心暖か 事務処理集中
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トーストに バターをのばし むしゃむしゃと 満たす空腹 わたし生きてる
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朝起きてそのまま二度寝昼過ぎに起きてぼんやりしている土曜
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​かじかんだ 淡桃色うすももいろの 吾子の手を 包むこの手で きみ守りたし
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出来るだけうつさぬようにと籠る部屋 ちょいちょい覗く夫は子のごと /風邪
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本当に さよならなのよ わかってる? イヤホンつけた あなたにさよなら
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ひさびさの青空うれし空のいろペールトーンの優しい冬の
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お菓子に集中するからという君どうせ忘れてしまうのに
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知らぬこと おそろしきかな 一方で  世には知らぬが  よきこともあり
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灰と白 雲の合間に 月が見え 空に寝転ぶ 三毛猫がいた
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「今日こそは テスト勉強」 意気込んだ 数分の後 寝台の上
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隠れ家で 鶏すき鍋に 唸る我 野菜の旨味も 出汁に溶け込む
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一陣の  風の如く  ザッーと来て  落つる雫に  花煌めく
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何者か 語ることなき そのおきな  微笑みたたえ キジムナー描く
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ガラガラと壊されました此れ正に 私の自尊心だったもの
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お互いに 理解できない とこがある それでいいのよ 別れて理解
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父の亡き友人偲ぶ 若かりし頃の思ひ出 語らひぬ父母
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眼差しと サティのジュトゥブを 水飴の ように絡めて 夕風が吹く【サティ作曲のピアノ曲「あなたが欲しい」です】
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幼日おさなびいだく 父の友人との写真眺む 届きぬ喪中
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勝ち馬に乗って黒渦抜け出して疼く怒りをとっとこ忘れ
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ふわふわとゆらゆら揺らぐ雨模様テツのかたまり積もってた
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ホリデイへ助走で浮かれる街角を特売品を買い歩く吾
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「幸せになるため人は生まれる」と 電車の遅延が誤魔化した
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ふっくらとした半月に 見守られ ちま猫ちゃんは きょうも・つういん通院
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たまってたポイント使って肩揉み屋 肩甲骨を指にまかせて
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死んでも治らない病どうせ治らないなら死ななくてもいいでしょう?
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私以外気づいていない窓外の木にやってくる多様な野鳥/職場
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おさな子の 口に覆わる 紅き手と  小径に揺れる 楓かさねて
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